建設テックの知恵袋

生産性向上はテクノロジーだけで実現できず、どのように取り組むべきか様々な情報が必要です。
建設テックの知恵袋ではテクノロジーではなく、情報で生産性向上に貢献する発信をして行きます。

生産性向上はテクノロジーだけで実現できず、どのように取り組むべきか様々な情報が必要です。 建設テックの知恵袋ではテクノロジーではなく、情報で生産性向上に貢献する発信をして行きます。

創業120年の地方ゼネコンが「建設DX」に成功したコツ

はじめまして。平山建設株式会社(千葉県成田市)の代表取締役社長を務めている平山秀樹と申します。当記事では、平山建設が推進している建設DXや働き方改革について、一歩踏み込んだ内容を紹介させていただこうと思います。 建設DXは特別なことではない。平山建設の歴史 おかげさまで平山建設は2021年8月で創業120年、設立60周年を迎えました。私が4代目社長になるのですが、会社を継承するようになったのは2005年。それからしばらくして本格的に働き方改革、DXに取り組まないといけないという時代の流れが始まりました。 「建設DXに成功した秘訣は?」とよく聞かれるのですが、建設業界を見渡せば自分たちの時代だけが特別に新しいことに挑戦しているわけではありません。平山建設の歴史を振り返って見ても、いつの時代も新しいことを取り入れてきた過去があります。 初代金吉(1876 - 1958)は、当時珍しかった蒸気機関を使った製材所を開きました。2代目清(1901 - 1987)は、当時としては新鋭のテクノロジーであるフォークリフトを取り入れて、人力でやっていた現場作業を効率化することに挑みました。3代目金吾(1935 - 2014)の昭和50年代前半には、いち早くオフコン(オフィスコンピューター)を取り入れました。まだソロバンを使った経理で注文書も手書きの時代でしたが、プログラムを作ったり常に新しいテクノロジーを取り入れたりしていました。そして、単に技術を取り入れるだけでなく、各代各代で子弟教育、社員教育に手間暇を惜しまず取り組んでいました。 技術革新と教育の平山建設の歴史があり、「心・美・信・禮・創」をモットーとした企業文化を先代から受け継ぎながら、地域に密着した取り組みを続けているのが現在の平山建設です。 建設DXは特別なことではない。平山建設の歴史 1901年(明治34年)千葉県成田市で木材、薪炭を販売する「平山商店」を創業。1962年(昭和37年)建設業を立上げ、平山建設株式会社設立。1973年(昭和48年)創立10周年記念事業として、新社屋を成田市役所前に建設1995年(平成7年)宅地建物取引業者免許を取得し、賃貸管理業開始1999年(平成11年)品質管理システム「ISO9000シリーズ」認証取得2000年 (平成12年)センターホテル成田開業 2001年(平成13年)創業100周年2005年(平成17年)平山金吾が代表取締役会長に、平山秀樹が代表取締役社長に就任2005年(平成17年)成田(Narita)を根拠地にして、住空間(SPAce)を提供するNaSPAブランドを発表2016年 (平成19年)新社屋建設、移転2021年(令和3年)創業120年、設立60周年 Google Workspace導入から建設DXをスタート 平山建設では、10年以上前からG Suite (現Google Workspace)の法人アカウントを作り、社員全員にGoogleアカウントを発行しました。とにかく「これからは必要だ」「使うように」と指示を出していましたが、そうは言ってもなかなか社内に普及しませんでした。 そんな時にG Suite (現Google Workspace)の教育をやっている方と出会いました。その方に頼み込んで、平山建設社内でGoogleの教育を1年に渡って実施していただきました。まず各部署から18名を選抜し教育を始めました。苦手意識を持っている人もいるので、まずは基本的な使い方からはじめ、業務に便利な機能まで細かく教育しました。教育による社員のITリテラシーの向上をきっかけに、「単にITツール導入だけでは上手くいかない。導入に伴う広いリテラシー教育、普及にも力を入れないといけない。」と思い直しました。平山建設のDX化の取り組みはそこからがスタートでした。

2021.09.10 インタビュー

RICOH Value Presentation 2021 イベントレポート

2021年7月12日〜8月4日、リコージャパン株式会社主催「RICOH Value Presentation 2021」が開催されました。「人にやさしいデジタルを全国の仕事場に」を開催テーマに掲げ、今求められている新たな働き方への変革や、お客様の成功の実現へ向けた更なるデジタルサービス、業種ごとの業務課題解決事例や、デジタルツールを活用した新たな働き方、業務プロセス改善などが紹介され、当社代表取締役CEO 中島貴春が、建設業の工事/施工管理部門に登壇いたしました。 中島は、ゼネコンで現場監督としてさまざまな現場を経験し、どのようなITを活用すると工事現場の利益率が上がるか、どういったテクノロジーを活用すれば生産性が上がるかなどITツールの企画開発を経験し、建設業界をもっと便利にしたいという思いから、コンコアーズ株式会社(現:株式会社フォトラクション)を設立、建設・土木の生産支援クラウド「Photoruction(フォトラクション)」の提供を開始しました。テクノロジーを活用して建設現場の生産性を向上させる様々なサービスを提供し、現在多くの企業を支援しています。「建設の世界を限りなくスマートにする」というミッションの元、建設DXについてもいろいろな情報発信をしております。 今回は、2024年の労働時間上限規制に向けた事務作業の省力化にご関心がある方向けに、「建設現場から始まる建設DX―現場管理業務におけるITを活用した時間削減術のご紹介―」をお話しさせていただきましたので、内容を一部抜粋してご紹介いたします。 Agenda 建設を取り巻く状況増え続ける建設テック建設現場の3つのムダと削減術建設DXとは何か 会社紹介 株式会社フォトラクションとは 掲げているミッションは「建設の世界を限りなくスマートにする」 まだまだ「3K」のイメージが払拭できていない業界ですが、建設会社の皆様がテクノロジーを用いてかっこよくスマートに働いてる、業界をそんなイメージに変えていきたい思っている会社です。 具体的なサービスと内容としては、1つは、SaaS、いわゆるインターネットを用いた業務の効率化を図るアプリケーションの提供、もう1つは、実際そのクラウド経由で上がってきたデータを使って、AIやオペレーターを提供し、建設会社様のバックオフィスとして業務を自動化するところをご支援させていただいています。 建設を取り巻く状況 現在、建設業は様々な課題を抱えています。 建設投資額は、右肩上がりに推移するのに対し、労働者は今後10年で100万人足するといわれています。また、近年建物のデザインの高度化など建物に求めれる水準の変化で工事の種類も多種多様になってきています。さらに2024年に建設業も月45時間労働時間の規制かかるため、今より仕事の量は増えていくものの人も働く時間も減っていくという危機的な状況に陥っています。 建設業の特徴として一品生産かつ労働集約型の産業になっているため、なかなか長年生産性が上がっていかないという現状があり、こういった状況に対して生産性を向上するということが、国内の社会インフラの整備や労働環境を守るためにも必須になってきています。 2024年に月45時間の残業規制がかかってくるので、とにかく生産性を上げていかないと、2024年以降なかなか現在の品質を担保できないというような課題があります。 こうした現状の中で、今建設業のIT投資は加速しています。2017年の調査では、iPhoneやiPad といったスマートデバイスの導入率も96%となっており、今後さらに生産性向上のためのIT投資が進みDXの機運が高まってくることが予想されています。 増え続ける建設テック このような状況の中、国内外を問わず様々なテクノロジーを提供する企業も増えてきています。 特に生産工程に関連するソリューションが爆発的に拡大してきています。センサーを使ったIoT技術や実際の現場の状況を記録するドローン、三次元系でいろいろ施工管理を実施するBIM/CIMなど、様々なテクノロジーが増えています。 米国の建設テック企業のPROCOREは、時価総額が1兆円を超える規模での上場をしました。海外では爆発的に成長している分野です。今後、建設業を支援するテクノロジーやプラットフォームが国内でももっと増えてくるという風に予想されています。 建設現場の3つのムダと削減術 多くのテクノロジーが提供され、かつ生産性を上げていかないといけない状況ですが、一気にIT化は難しいと思っています。では、実際建設現場で具体的にどういった非効率な部分があるのか、どういったところにテクノロジーを使っていけばいいのか、記録と比較という業務に着目して時間削減術をいくつかご紹介します。 移動のムダ 事務所と現場を移動するため非効率であるのと手戻りの種となっていると思っています。 現場の事務所と建設現場というこの二つの仕事のフィールドを往復し、建物の建物管理をしていると思うのですが、その移動に多くのコストがかかっています。 それを削減するためには、最近急速に導入が進んでいるスマートデバイス、いわゆるタブレット端末の導入です。次に、クラウドストレージサービスの導入。スマートデバイスと合わせで導入することにより、ファイルの持ち運びなどが不要になり移動のコストを削減することができます。そして、汎用的に活用できるソフトウェアの積極活用。建設業特化ではない無料で汎用的に使えるサービスも世の中にたくさんあるので、そういうものを積極的に活用していくことで、効率化ができ大きなコスト削減ができると思っています。 記録のムダ 工事現場の状況を適切に記録しなければならない中で、その記録する情報は膨大にあります。 記録は必要なのですが、デジカメや現場特有の工事黒板、図面など、様々な物を持ち運ばないといけない、多くの道具を使って記録をするところもまだまだ非効率なところかなと考えてます。 スマートデバイスによる現場の記録で持ち歩くものを集約、例えば、電子黒板を用いた写真管理アプリを導入することにより、毎日工事現場で黒板に手書きで転記する手間を省きます。手書きの黒板や汚れなどで写真を撮っても見にくいなど、アナログの弊害もあると思うので、電子化することで記録業務に関しては大幅に効率化できるのではないかと思っています。 そして、従来はパソコンにソフトウェアをインストールして導入することが多かったと思いますが、パソコンにインストールする必要がなくインターネット経由で、使えるクラウド型のサービス、オールインワンの施工管理SaaSの導入です。積極的に導入することで効率化することもできますし、またクラウド型のサービスの一つの特徴は、溜まったデータを、他にも活用できるというところです。現場での記録作業を効率化しつつ、その記録したデータを効率よく他に使うというとこでも非常に有効活用できるのではないかと思っています。 比較のムダ これが一番見えにくいコストかなと思いますが、実際、現場で記録した情報を設計図と比較して正しくできてるかというところを確認していかなければいけません。膨大な設計図の中から必要なデータを抽出したり、現場で記録した情報から必要なものだけを抜き出さないといけない、決められた内容でデータを整理しないといけない、これらのように工事現場でなくとは実行可能な事務作業みたいのは結構数多くあると思っています。 こういったところもITを使ってフル活用することで時間を削減していくことはができると考えています。 先ほど紹介したオールインワン施工管理SaaSを導入すれば、設計図から何か情報を引き出したり、記録したデータを使って書類を作ったり、様々な機能を活用していくことで、事務作業を減らせると考えています。 また、事務作業を自社のコア業務ノンコア業務の線引きをし、ノンコア業務をAIに任せたり、まだまだ柔軟性が必要な事務作業においては外部にアウトソーシングしたりなど、AI-BPOを活用した業務の自動化を実現すれば、一気削減効率化というかゼロにしていくという選択肢も今後出てくるではないかと考えています。 建設DXとは何か デジタルトランスフォーメーション(DX)に向かうためには3つのステップがあると言われていて、それについて説明したいと思います。まさに先ほど説明した3つのムダをITを使って削減していくステップが、このDXの実現へのステップそのものになります。 一つ目は、デジタイゼーションです。アナログ、物理データのデジタルデータ化です。アナログな部分、黒板や現場で使っているノートなど、どう電子化していくかが大切になります。 そして、二つ目はデジタライゼーションです。個別の業務製造のプロセスのデジタル化です。 集まったデータから建物を建てるオペレーションの中で、どの部分にAIやBPO アウトソーシングが使えるかなど、力を入れるコア業務の可視化をしていきます。 最後に、デジタルトランスフォーメーション、価値創出に関わる事業やビジネスモデルの変革です。 デジタル化を進めていくと、データ、ナレッジ、オペレーション、AI、様々な要素技術が溜まってきます。今まで実施し溜まってきたデータナレッジを使って、周辺領域と組み合わせていくことでデジタルトランスフォーメーションが起きてくると考えています。 なかなか一気にDX 化を進めるのは現実的には難しいところもありますので、まず全く着手できてない場合は、どういったデータを電子化するのか、デジタイゼーションというシンプルなところから考えていくことがDXの実現に向けて必要なことだと思います。 建設・土木の生産支援クラウド Photoruction 最後に、当社ではDXの実現に向かう3つのステップを全て1つのプラットフォームとして提供できるサービス「建設・土木の生産支援クラウドPhotoruction」を展開させていただいています。まさに最初のデジタイゼーションというところから、溜めたデータをどのようにデータ化していくかというところまで、1つのプラットフォームで提供しています。 そしてそのサービスに加え、AIとオペレーターを組合わせたバックオフィスチーム、AI-BPOを提供しています。 現在、さまざまな多くのプロジェクトや商業施設をはじめ大規な建築というところでもご活用いただいていますので、皆様のデジタルトランスフォーメーションの実現に貢献していけたらと思います。...

2021.05.08 イベントレポート

身近な困りごとの解決から始める、無理のない建設DX

BIMや3次元CAD、情報化施工などの導入により、生産性向上、地球環境保全、国際化といった建設業が抱える経営課題を解決するための情報をご自身のブログ「建設ITワールド」で発信し続ける建設ITジャーナリストの家入龍太さんに建設DXの今までとこれからについてフォトラクション代表の中島が伺いました。 建設ITジャーナリスト家入 龍太 氏3DやBIM、ICTによる建設業の成長戦略や挑戦を「ほめて伸ばす」のがモットー。BIMや3次元CAD、情報化施工などの導入により、生産性向上、地球環境保全、国際化といった建設業が抱える経営課題を解決するための情報を「一歩先の視点」で発信し続ける建設ITジャーナリスト。 建設DXのカギは建設業界の「ムダ」を解決すること 中島:国土交通省が推進している「i-Construction(アイ・コンストラクション)」の取り組みなどで建設DXが盛り上がっていますが、今のように生産性向上が進められる以前、建設業界はどのような状況だったのでしょうか? 家入さん:2008年のリーマンショックまでは建設業界で生産性という言葉が出てこなかったですね。建設業界は雇用の受け皿になっており、生産性を向上すると仕事がなくなってしまうという考えもあり禁句になっていたように思います。しかし、2008年以降は建設業界の生産性を上げなければという機運になり、現在のように生産性向上のための取り組みがされるようになりました。 中島:建設業界はテクノロジーにより生産性向上が進んでいますが、まだまだ効率化できる部分は多いと思います。家入さんは今後どの部分を効率化していくべきだと考えますか? 家入さん:まず、建設業界の生産性向上を考えるうえで2つの軸が重要になります。「現場の取り組み」と「日本全体の取り組み」です。現場レベルで行う取り組みは、ロボットやAI(人工知能)などの活用により、付加価値(出来高)にかかる作業人数と時間を削減することで労働生産性が向上していきます。現場で労働生産性を向上すると総出来高も上がっていきます。例えば、テレワークを積極的に導入して就業者数を増やしたり作業時間を長く確保できるようにすると、総出来高はさらに上がっていきます。そして、これを日本全体で取り組むことが必要です。 今後効率化していくべき部分については、「トヨタの7つのムダ」というトヨタ生産方式におけるムダの定義がありますが、その中の3つが建設業界においても当てはまります。まず、「動作のムダ」。建設業界だと「移動のムダ」と言い換えられると考えています。例えば、現場に図面がなくて事務所に取りに戻るなど現場と事務所の行き来に多くの時間を要してきました。二つ目は、「手持ちのムダ」。例えば、コンクリートなどの資材が到着しないことが原因で作業がストップしてしまいます。そして三つ目は、「造りすぎのムダ」。建物を建てる際は足場を組んだり、型枠を造らなければなりません。最終的に解体し処分することになります。今お伝えした3つのムダはテクノロジーの活用で効率化を図ることができます。 現場の「困りごと」にフォーカスして、活用するツールを選定する 中島:これからますます建設DXの取り組みが多くなると思いますが、取り組む際にどういうマインドで取り組めばよいのでしょうか? 家入さん:現場で何が困っているのかを判断し、それを解決するためにはどうすればよいのかを考えることが大切です。よくあるDXの失敗例が、ツールをどう使うかということから考えてしまうことです。そうならないためには現場の「困りごと」を把握して、それを解決するためのツールを導入する形が良いと思います。 中島:建設DXの取り組みの上で大切な現場の「困りごと」について具体例を教えてください。 家入さん:先ほども申し上げた建設業界の「ムダ」に関するものと、人間の目で判断する検査業務などが挙げられます。「移動のムダ」については、現場と事務所の行き来や会議のために本社に移動しなければならないなどの課題があります。人間の目で判断する検査業務については、建設中だけでなく建物を建てた後の管理を人間の目で行っているのが現状です。建設業の労働人口が減っているなか、管理者を確保するのにどの企業も大変苦労されています。このような課題は「デジタルツイン※」を活用し3Dと組み合わせることによって解決の糸口が見えてくるのではないかと思っています。 中島:上記のような「困りごと」に対して、現在どのようなDXツールが活用されているのでしょうか? 家入さん:例えば「移動のムダ」を解決するサービスでいうと、すでに多くの企業で活用されているタブレットやデジタル野帳アプリ「eYACHO」やフォトラクションで提供している「Photoruction」などのアプリ(クラウド)上で情報を記録できるツールは、「移動のムダ」を削減できます。タブレットについては建設DXのターニングポイントですね。普及されたことにより建設業務のやり方が変わりました。図面や工事写真、書類などタブレットで持ち歩くことができるので、事務所に戻る必要がありません。新型コロナウイルスの影響により、会議がオンラインで完結できることが分かってきましたので、今後はさらに移動せずに業務ができるようになっていくと考えています。次に「手持ちのムダ」の解決策は、トラックがいつ到着したか知らしてくれるサービスなどを活用することで資材を待つ時間が削減できるかと思います。また、「造りすぎのムダ」については、工場で建物のパーツを事前に作成し現場で組み立てるという技術があるので、そのような仕組みにしていくことで、足場や型枠を造る回数を削減できます。 ※現実空間の工場や製造設備、製品などをデジタル空間に再現し、リアルタイムに現実とデジタルを連携したシステム 家入龍太氏(右)とフォトラクション代表の中島(左) デジタル化やDXは若手の人材獲得につながる 中島:家入さんが今後建設DXにおいて望むことは何ですか? 家入さん:まずは、紙をデジタル化することが大切だと思っています。また、最近話題の脱ハンコの話でも触れられますが、物体に情報が書かれていることにより「移動のムダ」が発生します。建設DXの促進のために紙のデジタル化は必須だと考えています。また、建設業界は若い人材が入ってこない一方で、上記のようにデジタル化を進めていたりドローンやBIM、クラウドサービスを活用している企業は若い人材を獲得しやすい流れになっていると思います。例えば、現場写真整理サービス「カエレル」を提供している株式会社小田島組は、1年で20人ほど新入社員が増えたようです。デジタル化やDXを推進している企業に将来性を感じて入社する若者も少なくないですね。i-Constructionが進むようになってからは、受注者の生産性についても気にされるようになりました。これにより発注者が受注者の生産性を考慮した基準づくりを進め、建設業界に大きな変化をもたらしました。今後もさらに建設業界が働きやすい環境になるよう、私自身も分野を問わず様々な企業様と交流し、情報の発信を続けていきたいと思います。

2021.02.15 インタビュー

創業120年の地方ゼネコンが「建設DX」に成功したコツ

はじめまして。平山建設株式会社(千葉県成田市)の代表取締役社長を務めている平山秀樹と申します。当記事では、平山建設が推進している建設DXや働き方改革について、一歩踏み込んだ内容を紹介させていただこうと思います。 建設DXは特別なことではない。平山建設の歴史 おかげさまで平山建設は2021年8月で創業120年、設立60周年を迎えました。私が4代目社長になるのですが、会社を継承するようになったのは2005年。それからしばらくして本格的に働き方改革、DXに取り組まないといけないという時代の流れが始まりました。 「建設DXに成功した秘訣は?」とよく聞かれるのですが、建設業界を見渡せば自分たちの時代だけが特別に新しいことに挑戦しているわけではありません。平山建設の歴史を振り返って見ても、いつの時代も新しいことを取り入れてきた過去があります。 初代金吉(1876 - 1958)は、当時珍しかった蒸気機関を使った製材所を開きました。2代目清(1901 - 1987)は、当時としては新鋭のテクノロジーであるフォークリフトを取り入れて、人力でやっていた現場作業を効率化することに挑みました。3代目金吾(1935 - 2014)の昭和50年代前半には、いち早くオフコン(オフィスコンピューター)を取り入れました。まだソロバンを使った経理で注文書も手書きの時代でしたが、プログラムを作ったり常に新しいテクノロジーを取り入れたりしていました。そして、単に技術を取り入れるだけでなく、各代各代で子弟教育、社員教育に手間暇を惜しまず取り組んでいました。 技術革新と教育の平山建設の歴史があり、「心・美・信・禮・創」をモットーとした企業文化を先代から受け継ぎながら、地域に密着した取り組みを続けているのが現在の平山建設です。 建設DXは特別なことではない。平山建設の歴史 1901年(明治34年)千葉県成田市で木材、薪炭を販売する「平山商店」を創業。1962年(昭和37年)建設業を立上げ、平山建設株式会社設立。1973年(昭和48年)創立10周年記念事業として、新社屋を成田市役所前に建設1995年(平成7年)宅地建物取引業者免許を取得し、賃貸管理業開始1999年(平成11年)品質管理システム「ISO9000シリーズ」認証取得2000年 (平成12年)センターホテル成田開業 2001年(平成13年)創業100周年2005年(平成17年)平山金吾が代表取締役会長に、平山秀樹が代表取締役社長に就任2005年(平成17年)成田(Narita)を根拠地にして、住空間(SPAce)を提供するNaSPAブランドを発表2016年 (平成19年)新社屋建設、移転2021年(令和3年)創業120年、設立60周年 Google Workspace導入から建設DXをスタート 平山建設では、10年以上前からG Suite (現Google Workspace)の法人アカウントを作り、社員全員にGoogleアカウントを発行しました。とにかく「これからは必要だ」「使うように」と指示を出していましたが、そうは言ってもなかなか社内に普及しませんでした。 そんな時にG Suite (現Google Workspace)の教育をやっている方と出会いました。その方に頼み込んで、平山建設社内でGoogleの教育を1年に渡って実施していただきました。まず各部署から18名を選抜し教育を始めました。苦手意識を持っている人もいるので、まずは基本的な使い方からはじめ、業務に便利な機能まで細かく教育しました。教育による社員のITリテラシーの向上をきっかけに、「単にITツール導入だけでは上手くいかない。導入に伴う広いリテラシー教育、普及にも力を入れないといけない。」と思い直しました。平山建設のDX化の取り組みはそこからがスタートでした。

2021.09.10 インタビュー

RICOH Value Presentation 2021 イベントレポート

2021年7月12日〜8月4日、リコージャパン株式会社主催「RICOH Value Presentation 2021」が開催されました。「人にやさしいデジタルを全国の仕事場に」を開催テーマに掲げ、今求められている新たな働き方への変革や、お客様の成功の実現へ向けた更なるデジタルサービス、業種ごとの業務課題解決事例や、デジタルツールを活用した新たな働き方、業務プロセス改善などが紹介され、当社代表取締役CEO 中島貴春が、建設業の工事/施工管理部門に登壇いたしました。 中島は、ゼネコンで現場監督としてさまざまな現場を経験し、どのようなITを活用すると工事現場の利益率が上がるか、どういったテクノロジーを活用すれば生産性が上がるかなどITツールの企画開発を経験し、建設業界をもっと便利にしたいという思いから、コンコアーズ株式会社(現:株式会社フォトラクション)を設立、建設・土木の生産支援クラウド「Photoruction(フォトラクション)」の提供を開始しました。テクノロジーを活用して建設現場の生産性を向上させる様々なサービスを提供し、現在多くの企業を支援しています。「建設の世界を限りなくスマートにする」というミッションの元、建設DXについてもいろいろな情報発信をしております。 今回は、2024年の労働時間上限規制に向けた事務作業の省力化にご関心がある方向けに、「建設現場から始まる建設DX―現場管理業務におけるITを活用した時間削減術のご紹介―」をお話しさせていただきましたので、内容を一部抜粋してご紹介いたします。 Agenda 建設を取り巻く状況増え続ける建設テック建設現場の3つのムダと削減術建設DXとは何か 会社紹介 株式会社フォトラクションとは 掲げているミッションは「建設の世界を限りなくスマートにする」 まだまだ「3K」のイメージが払拭できていない業界ですが、建設会社の皆様がテクノロジーを用いてかっこよくスマートに働いてる、業界をそんなイメージに変えていきたい思っている会社です。 具体的なサービスと内容としては、1つは、SaaS、いわゆるインターネットを用いた業務の効率化を図るアプリケーションの提供、もう1つは、実際そのクラウド経由で上がってきたデータを使って、AIやオペレーターを提供し、建設会社様のバックオフィスとして業務を自動化するところをご支援させていただいています。 建設を取り巻く状況 現在、建設業は様々な課題を抱えています。 建設投資額は、右肩上がりに推移するのに対し、労働者は今後10年で100万人足するといわれています。また、近年建物のデザインの高度化など建物に求めれる水準の変化で工事の種類も多種多様になってきています。さらに2024年に建設業も月45時間労働時間の規制かかるため、今より仕事の量は増えていくものの人も働く時間も減っていくという危機的な状況に陥っています。 建設業の特徴として一品生産かつ労働集約型の産業になっているため、なかなか長年生産性が上がっていかないという現状があり、こういった状況に対して生産性を向上するということが、国内の社会インフラの整備や労働環境を守るためにも必須になってきています。 2024年に月45時間の残業規制がかかってくるので、とにかく生産性を上げていかないと、2024年以降なかなか現在の品質を担保できないというような課題があります。 こうした現状の中で、今建設業のIT投資は加速しています。2017年の調査では、iPhoneやiPad といったスマートデバイスの導入率も96%となっており、今後さらに生産性向上のためのIT投資が進みDXの機運が高まってくることが予想されています。 増え続ける建設テック このような状況の中、国内外を問わず様々なテクノロジーを提供する企業も増えてきています。 特に生産工程に関連するソリューションが爆発的に拡大してきています。センサーを使ったIoT技術や実際の現場の状況を記録するドローン、三次元系でいろいろ施工管理を実施するBIM/CIMなど、様々なテクノロジーが増えています。 米国の建設テック企業のPROCOREは、時価総額が1兆円を超える規模での上場をしました。海外では爆発的に成長している分野です。今後、建設業を支援するテクノロジーやプラットフォームが国内でももっと増えてくるという風に予想されています。 建設現場の3つのムダと削減術 多くのテクノロジーが提供され、かつ生産性を上げていかないといけない状況ですが、一気にIT化は難しいと思っています。では、実際建設現場で具体的にどういった非効率な部分があるのか、どういったところにテクノロジーを使っていけばいいのか、記録と比較という業務に着目して時間削減術をいくつかご紹介します。 移動のムダ 事務所と現場を移動するため非効率であるのと手戻りの種となっていると思っています。 現場の事務所と建設現場というこの二つの仕事のフィールドを往復し、建物の建物管理をしていると思うのですが、その移動に多くのコストがかかっています。 それを削減するためには、最近急速に導入が進んでいるスマートデバイス、いわゆるタブレット端末の導入です。次に、クラウドストレージサービスの導入。スマートデバイスと合わせで導入することにより、ファイルの持ち運びなどが不要になり移動のコストを削減することができます。そして、汎用的に活用できるソフトウェアの積極活用。建設業特化ではない無料で汎用的に使えるサービスも世の中にたくさんあるので、そういうものを積極的に活用していくことで、効率化ができ大きなコスト削減ができると思っています。 記録のムダ 工事現場の状況を適切に記録しなければならない中で、その記録する情報は膨大にあります。 記録は必要なのですが、デジカメや現場特有の工事黒板、図面など、様々な物を持ち運ばないといけない、多くの道具を使って記録をするところもまだまだ非効率なところかなと考えてます。 スマートデバイスによる現場の記録で持ち歩くものを集約、例えば、電子黒板を用いた写真管理アプリを導入することにより、毎日工事現場で黒板に手書きで転記する手間を省きます。手書きの黒板や汚れなどで写真を撮っても見にくいなど、アナログの弊害もあると思うので、電子化することで記録業務に関しては大幅に効率化できるのではないかと思っています。 そして、従来はパソコンにソフトウェアをインストールして導入することが多かったと思いますが、パソコンにインストールする必要がなくインターネット経由で、使えるクラウド型のサービス、オールインワンの施工管理SaaSの導入です。積極的に導入することで効率化することもできますし、またクラウド型のサービスの一つの特徴は、溜まったデータを、他にも活用できるというところです。現場での記録作業を効率化しつつ、その記録したデータを効率よく他に使うというとこでも非常に有効活用できるのではないかと思っています。 比較のムダ これが一番見えにくいコストかなと思いますが、実際、現場で記録した情報を設計図と比較して正しくできてるかというところを確認していかなければいけません。膨大な設計図の中から必要なデータを抽出したり、現場で記録した情報から必要なものだけを抜き出さないといけない、決められた内容でデータを整理しないといけない、これらのように工事現場でなくとは実行可能な事務作業みたいのは結構数多くあると思っています。 こういったところもITを使ってフル活用することで時間を削減していくことはができると考えています。 先ほど紹介したオールインワン施工管理SaaSを導入すれば、設計図から何か情報を引き出したり、記録したデータを使って書類を作ったり、様々な機能を活用していくことで、事務作業を減らせると考えています。 また、事務作業を自社のコア業務ノンコア業務の線引きをし、ノンコア業務をAIに任せたり、まだまだ柔軟性が必要な事務作業においては外部にアウトソーシングしたりなど、AI-BPOを活用した業務の自動化を実現すれば、一気削減効率化というかゼロにしていくという選択肢も今後出てくるではないかと考えています。 建設DXとは何か デジタルトランスフォーメーション(DX)に向かうためには3つのステップがあると言われていて、それについて説明したいと思います。まさに先ほど説明した3つのムダをITを使って削減していくステップが、このDXの実現へのステップそのものになります。 一つ目は、デジタイゼーションです。アナログ、物理データのデジタルデータ化です。アナログな部分、黒板や現場で使っているノートなど、どう電子化していくかが大切になります。 そして、二つ目はデジタライゼーションです。個別の業務製造のプロセスのデジタル化です。 集まったデータから建物を建てるオペレーションの中で、どの部分にAIやBPO アウトソーシングが使えるかなど、力を入れるコア業務の可視化をしていきます。 最後に、デジタルトランスフォーメーション、価値創出に関わる事業やビジネスモデルの変革です。 デジタル化を進めていくと、データ、ナレッジ、オペレーション、AI、様々な要素技術が溜まってきます。今まで実施し溜まってきたデータナレッジを使って、周辺領域と組み合わせていくことでデジタルトランスフォーメーションが起きてくると考えています。 なかなか一気にDX 化を進めるのは現実的には難しいところもありますので、まず全く着手できてない場合は、どういったデータを電子化するのか、デジタイゼーションというシンプルなところから考えていくことがDXの実現に向けて必要なことだと思います。 建設・土木の生産支援クラウド Photoruction 最後に、当社ではDXの実現に向かう3つのステップを全て1つのプラットフォームとして提供できるサービス「建設・土木の生産支援クラウドPhotoruction」を展開させていただいています。まさに最初のデジタイゼーションというところから、溜めたデータをどのようにデータ化していくかというところまで、1つのプラットフォームで提供しています。 そしてそのサービスに加え、AIとオペレーターを組合わせたバックオフィスチーム、AI-BPOを提供しています。 現在、さまざまな多くのプロジェクトや商業施設をはじめ大規な建築というところでもご活用いただいていますので、皆様のデジタルトランスフォーメーションの実現に貢献していけたらと思います。...

2021.05.08 イベントレポート

身近な困りごとの解決から始める、無理のない建設DX

BIMや3次元CAD、情報化施工などの導入により、生産性向上、地球環境保全、国際化といった建設業が抱える経営課題を解決するための情報をご自身のブログ「建設ITワールド」で発信し続ける建設ITジャーナリストの家入龍太さんに建設DXの今までとこれからについてフォトラクション代表の中島が伺いました。 建設ITジャーナリスト家入 龍太 氏3DやBIM、ICTによる建設業の成長戦略や挑戦を「ほめて伸ばす」のがモットー。BIMや3次元CAD、情報化施工などの導入により、生産性向上、地球環境保全、国際化といった建設業が抱える経営課題を解決するための情報を「一歩先の視点」で発信し続ける建設ITジャーナリスト。 建設DXのカギは建設業界の「ムダ」を解決すること 中島:国土交通省が推進している「i-Construction(アイ・コンストラクション)」の取り組みなどで建設DXが盛り上がっていますが、今のように生産性向上が進められる以前、建設業界はどのような状況だったのでしょうか? 家入さん:2008年のリーマンショックまでは建設業界で生産性という言葉が出てこなかったですね。建設業界は雇用の受け皿になっており、生産性を向上すると仕事がなくなってしまうという考えもあり禁句になっていたように思います。しかし、2008年以降は建設業界の生産性を上げなければという機運になり、現在のように生産性向上のための取り組みがされるようになりました。 中島:建設業界はテクノロジーにより生産性向上が進んでいますが、まだまだ効率化できる部分は多いと思います。家入さんは今後どの部分を効率化していくべきだと考えますか? 家入さん:まず、建設業界の生産性向上を考えるうえで2つの軸が重要になります。「現場の取り組み」と「日本全体の取り組み」です。現場レベルで行う取り組みは、ロボットやAI(人工知能)などの活用により、付加価値(出来高)にかかる作業人数と時間を削減することで労働生産性が向上していきます。現場で労働生産性を向上すると総出来高も上がっていきます。例えば、テレワークを積極的に導入して就業者数を増やしたり作業時間を長く確保できるようにすると、総出来高はさらに上がっていきます。そして、これを日本全体で取り組むことが必要です。 今後効率化していくべき部分については、「トヨタの7つのムダ」というトヨタ生産方式におけるムダの定義がありますが、その中の3つが建設業界においても当てはまります。まず、「動作のムダ」。建設業界だと「移動のムダ」と言い換えられると考えています。例えば、現場に図面がなくて事務所に取りに戻るなど現場と事務所の行き来に多くの時間を要してきました。二つ目は、「手持ちのムダ」。例えば、コンクリートなどの資材が到着しないことが原因で作業がストップしてしまいます。そして三つ目は、「造りすぎのムダ」。建物を建てる際は足場を組んだり、型枠を造らなければなりません。最終的に解体し処分することになります。今お伝えした3つのムダはテクノロジーの活用で効率化を図ることができます。 現場の「困りごと」にフォーカスして、活用するツールを選定する 中島:これからますます建設DXの取り組みが多くなると思いますが、取り組む際にどういうマインドで取り組めばよいのでしょうか? 家入さん:現場で何が困っているのかを判断し、それを解決するためにはどうすればよいのかを考えることが大切です。よくあるDXの失敗例が、ツールをどう使うかということから考えてしまうことです。そうならないためには現場の「困りごと」を把握して、それを解決するためのツールを導入する形が良いと思います。 中島:建設DXの取り組みの上で大切な現場の「困りごと」について具体例を教えてください。 家入さん:先ほども申し上げた建設業界の「ムダ」に関するものと、人間の目で判断する検査業務などが挙げられます。「移動のムダ」については、現場と事務所の行き来や会議のために本社に移動しなければならないなどの課題があります。人間の目で判断する検査業務については、建設中だけでなく建物を建てた後の管理を人間の目で行っているのが現状です。建設業の労働人口が減っているなか、管理者を確保するのにどの企業も大変苦労されています。このような課題は「デジタルツイン※」を活用し3Dと組み合わせることによって解決の糸口が見えてくるのではないかと思っています。 中島:上記のような「困りごと」に対して、現在どのようなDXツールが活用されているのでしょうか? 家入さん:例えば「移動のムダ」を解決するサービスでいうと、すでに多くの企業で活用されているタブレットやデジタル野帳アプリ「eYACHO」やフォトラクションで提供している「Photoruction」などのアプリ(クラウド)上で情報を記録できるツールは、「移動のムダ」を削減できます。タブレットについては建設DXのターニングポイントですね。普及されたことにより建設業務のやり方が変わりました。図面や工事写真、書類などタブレットで持ち歩くことができるので、事務所に戻る必要がありません。新型コロナウイルスの影響により、会議がオンラインで完結できることが分かってきましたので、今後はさらに移動せずに業務ができるようになっていくと考えています。次に「手持ちのムダ」の解決策は、トラックがいつ到着したか知らしてくれるサービスなどを活用することで資材を待つ時間が削減できるかと思います。また、「造りすぎのムダ」については、工場で建物のパーツを事前に作成し現場で組み立てるという技術があるので、そのような仕組みにしていくことで、足場や型枠を造る回数を削減できます。 ※現実空間の工場や製造設備、製品などをデジタル空間に再現し、リアルタイムに現実とデジタルを連携したシステム 家入龍太氏(右)とフォトラクション代表の中島(左) デジタル化やDXは若手の人材獲得につながる 中島:家入さんが今後建設DXにおいて望むことは何ですか? 家入さん:まずは、紙をデジタル化することが大切だと思っています。また、最近話題の脱ハンコの話でも触れられますが、物体に情報が書かれていることにより「移動のムダ」が発生します。建設DXの促進のために紙のデジタル化は必須だと考えています。また、建設業界は若い人材が入ってこない一方で、上記のようにデジタル化を進めていたりドローンやBIM、クラウドサービスを活用している企業は若い人材を獲得しやすい流れになっていると思います。例えば、現場写真整理サービス「カエレル」を提供している株式会社小田島組は、1年で20人ほど新入社員が増えたようです。デジタル化やDXを推進している企業に将来性を感じて入社する若者も少なくないですね。i-Constructionが進むようになってからは、受注者の生産性についても気にされるようになりました。これにより発注者が受注者の生産性を考慮した基準づくりを進め、建設業界に大きな変化をもたらしました。今後もさらに建設業界が働きやすい環境になるよう、私自身も分野を問わず様々な企業様と交流し、情報の発信を続けていきたいと思います。

2021.02.15 インタビュー