建築工事統轄部建築生産企画部 生産システム推進1課 主任 坂口 志歩さん、建築統轄部 建築生産企画部 部長 池端 裕之さん
戸田建設株式会社
建設現場の業務や時間の「見える化」で効率化を目指す
―Photoructionの導入を検討された理由を教えてください。
池端さん:
2024年の建設業における働き方改革関連法の施行を契機に、作業所に勤務する職員の時間の使い方や業務内容の実態調査を実施しました。現場にいると、どういった時間の使い方をしているのか見えない部分もあります。時間の使い方が見えない限り、残業を減らすなど作業の効率化に向けた施策が実行できないと考えて行なった調査でした。実態調査を通じて、作業所での時間の使い方や作業の実情が明らかになりました。さらに、週に1回上長との1on1ミーティングを実施し、業務実態を把握することを徹底しました。その結果、作業所に勤務する職員の業務を「見える化」できるようになりました。それらのデータを分析した結果、どの作業所においても定型事務作業が発生していることが見えてきました。また本来は実施するべきなのに手が回っていない業務も明らかになりました。
そこでそれらの作業を効率よく実施していける環境を構築しようと考え、BPOサービスの活用を促すために、PhotoructionのBPOサービスの導入の検討を始めました。
Photoructionのクラウドを使ってBPOサービスがワンストップで活用できる
―数ある選択肢の中から、Photoructionをお選びいただいたポイントを教えてください。
池端さん:
今までBPOサービスは、依頼するサービスごとに依頼先を選定し、見積りを取って判断するまで、各作業所に任せていました。ただ、実際のところ、どの会社に何を頼んだら良いのか分からない、何をしたら効果的なのかが分からないといった課題がありました。このため、一部の業務を外部に依頼するハードルが高かったのだと思います。全作業所の業務実態を分析した結果、どの業務にBPOサービスを利用すれば効果的なのかを本社から作業所に提案できるようになりました。そこで、依頼のハードルを下げ、BPOメニューを手軽に活用できるようにしたいと考えました。
フォトラクションは建設業に特化した会社として発足し、社内に建設業界の経験者がいることに信頼感がありました。また、図面のやり取りなどがPhotoructionのクラウドを使ってワンストップで行える、BPOメニューが負担なく選択できるといった点が決め手でした。
BPOサービス専用サイトの構築で利用のハードルを下げる仕組みづくり
―導入時に困ったことはありますか?また社内への導入をどのように進めましたか?
坂口さん:
まず、職員全員が毎朝確認する社内のイントラネットにBPOサービスの入り口設けました。そこにはフォトラクション提供のBPOサービスを含む、当社で活用する約20のBPOメニューが並んでいて、選択できる仕様となっています。このサイトにアクセスして必要データをアップロードすると、それぞれのBPOサービス提供会社に自動で依頼が行われ、見積や納品もこのサイトを通じて行う仕組みです。私たちとフォトラクション側で話し合いをして構築してきました。サイトは分かりやすく作り、利用者が電話で問い合わせすることがないようUIも工夫しました。BPOサービスの入口を統一したことで、全体的に周知がしやすくなり、管理もより効率的になっています。
また、今まで各作業所に任せていた依頼フローが変更となるため、その説明には十分な時間をかけました。今後も実際に利用する作業所職員向けの説明会を実施していきたいと考えています。
全社導入で作業所の負担を軽減、管理の一元化を実現
―Photoruction、BPOサービス導入後、どのような変化がありましたか?
坂口さん:
Photoructionアプリの検査機能、写真機能、帳票作成ツールなどは、デザインが優れており、直感的に使いやすいと好評です。また、BPOメニューの依頼において作業所の手間が削減できたことも、大きなメリットとなっています。BPOサービスの依頼ハードルが大幅に下がりました。
池端さん:
全社でPhotoructionを導入したことで、作業所側はPhotoructionからBPOメニューを選択するだけで、見積もりを取る必要なくサービスを利用できるようになりました。これにより、本社側でもどの業務をBPOサービスに依頼しているか一括管理でき、管理の効率化が進みました。さらに、社内システムとPhotoructionをAPIで自動的に情報連携を行う仕組みも構築しました。作業所の職員配置は日々変わるため、その職員配置の情報が、毎朝自動で連携されます。この仕組みにより、アカウント管理も円滑で、職員が日々安定してシステムを使用できるようになりました。Photoructionの“建設BPO”の導入で、業務効率化が確実に進んでいます。
時代の変化を受け入れつつ、魅力と価値を高めていきたい
―フォトラクションに期待することと、今後の展望についてお聞かせください
坂口さん:
社内での周知も進み、BPOサービスが効果的に利用されています。これまで作業所ごとに分散していた情報が集約され、Photoructionにデータが蓄積されることで、今後はそのデータを基に作業所のニーズを把握し、次のステップへ繋げていきたいと考えています。また、BPOサービスを利用して業務を外部に依頼することで、作業所の職員が本来注力すべき業務や、安全管理、品質管理に集中できるようになってきています。これにより、より安全で働きやすい環境を整備できるようになればと考えています。
池端さん:
私たちの部署は「魅力あふれる作業所をつくる」をミッションに掲げています。従来の方法を貫くだけでは進化はできません。ゼネコンや建設業界全体が変革の時期に差し掛かっていると感じています。
施工現場でのBIMモデルの活用も進み始めてきていて、今後、施工管理自体の考え方や方法そのものが変わっていくかもしれません。
変えてはいけないもの、変わらないものは当然ありますが、変革が進む業界の中で、戸田建設としてどんな魅力的なものを作り上げていけるか、価値は何かをしっかり見極めて、世の中に認めてもらえるようにしていきたいと思います。フォトラクションと協力しながら、さらなる生産性向上の手法を模索し、「魅力あふれる作業所をつくる」というミッションの実現に向けて進んでいきたいと思います。
―BPOの全社導入で更なる業務効率化に貢献できると幸いです。お忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました!