”見える”現場で働き方改革にもつながり、現場でのストレスも激減。Photoructionが人手不足の問題解決の糸口に

代表取締役 吉田恵吏子さん、経営企画部 IT推進部 土居雄大さん

株式会社多摩グリーンサービス

マンションの緑地管理事業、造園工事業、樹木医による樹木保護事業を行い、最近ではSDGsへの貢献として剪定樹木を使ったワークショップの開催も行っている株式会社多摩グリーンサービス様。 「Photoruction(フォトラクション)」を導入したきっかけや導入後の変化、今後の展望について、代表取締役であり樹木医でもある 吉田恵吏子さん、経営企画部 IT推進部 土居雄大さんにお話をお聞きしました。

黒板にまつわるストレスを改善したい

Photoructionの導入を検討された理由を教えてください。

土居さん:
最初はお客様から「黒板の文字が見えない」とご指摘いただいたことがきっかけで、その黒板をどうにかしたいと思っていました。黒板は木製のものを利用していて、文字はチョークで書くのですが、雨で文字が流れてしまったり、長年使っていると劣化してしまったりと管理がとても大変でした。木製の黒板からからホワイトボードの黒板に変えたりもしたのですが、今度はホワイトボードの表面がすぐ劣化してしまい、2ヶ月に1回程度の張り替えが必要だったりと管理の負担がかなりありました。その黒板を電子黒板に変えたいと思っていました。

*実際に利用していた黒板

それから、今まで報告書のための写真はデジカメを利用していたのですが、写真を撮ってSDカードからデータを取り出しエクセルで1枚ずつ写真を入れ込んで報告書を作成していました。現場ごと、時間順に並び替えも必要だし、時には現場でデジカメの充電がなくなり写真が撮れない、デジカメを紛失するなどのリスクもありました。リスク回避のために、毎日現場から戻ってきたら必ず1日分のデータを取り出すということを徹底して、もし消えてしまったり失くしてしまったりした時のリスクを減らすようにしていました。出来るだけ、現場で働く職人さんには持ち物を少なくし、管理側の業務負担を減らすことを考えた時に、電子黒板を含め写真や報告書の作成などが実現できるクラウドサービスを検討しました。

要望を叶えられる唯一のサービスだった

―数ある選択肢の中から、Photoructionをお選びいただいたポイントを教えてください。

土居さん:
電子黒板の必要性をずっと感じていたので、さまざまなサービスをたくさん試して、当社の運用のスタイルに合うものを探していました。そんな時にお客さんの現場でPhotoructionを導入するという話を聞いて、現場でPhotoructionを利用するというのであれば、当社でも使ってみようと思い試してみました。
お恥ずかしい話ですが、黒板を忘れたり、日付や内容の書き間違いなどのミスが実際ありました。そのため単に黒板を電子版に変えるだけというサービスの導入には二の足を踏んでいました。電子黒板にしても人的ミスは完全にはなくならないと思っていたので、万が一のことを考えて「黒板有」と「黒板無し」の写真を同時に撮影してくれるPhotoructionは当社の要望を叶えてくれるものでした。

“現場でのストレスを解消する” がサービス導入のキーポイント

導入時に困ったことはありますか?また社内への導入をどのように進めましたか?

吉田社長:
導入にあたっては、黒板を書かなくていいですよ、持っていかなくていいですよ、というのはかなり伝えていました。黒板は、実はみんなのストレスだったのだと思います。チョークで文字を書くのも大変だし、現場に持っていかないといけないし、大きいし運ぶのにも狭い車内の中で場所をとる、雨に濡らしてはいけない、チョークで汚れるなど、ストレスポイントをあげるとキリがないくらい結構ストレスだったと思います。そのストレスを減らせるものとして説明をしていきました。
また、Photoruction導入の際に、社内でスマートフォンの導入も一斉に行いました。実はスマホも触ったことない人もいたのですが、スマホの使い方を覚える過程で一緒にPhotoructionの操作も標準機能として覚えてもらえたので、抵抗感なく使えるようになっていました。

土居さん:
ITという言葉自体に一定の拒否反応があるのは事実なのですが、最初の一歩をどういう風に持っていくかが、導入にあたってはキーポイントでした。幸いすんなりと受け入れてもらえて今では使いこなしてもらっています。最初の頃は、Photoructionの利用手順も予め決めてお願いしたのですが、今は、職人さん自ら自分たちで現場の作業に合わせて手順を変更するなど臨機応変に利用してもらえています。現場でイレギュラーな事を数多くこなしている職人さんたちだからこそ、対応する能力の高さを実感しました。

業務の改善ができ働き方改革も一緒に叶った

Photoruction導入後、どのような変化がありましたか?

土居さん:
導入前は、1日10〜12件の報告書を作成、印刷から製本まで行うのにかなりの時間を要していました。少しでも作業を効率化しようとエクセルのVBAやマクロを使っていましたが、そうなるとエクセルのスキルも必要になってしまい誰もが同じようにできるわけではなく、結局報告書の作成は私一人しかできないといった状況に陥っていました。
Photoructionを使うようになって、写真の並べ替えから報告書の作成まで誰でも簡単に出来るようになり、チームで作業を分けることもできるようになりました。導入後は、私は最終確認のみになり、空いた時間を他の仕事に充てられるようになりかなり変化しました。

吉田社長:
Photoructionの導入をきっかけに、テレワークも導入することができ会社として働き方改革ができました。今までは会社に来ないとデータがない、写真がないなどといったことがあり、なかなか難しい状況だったのですが、Photoructionのおかげで子育てしながらテレワークで勤務してもらうことも叶い、社員からの要望にも柔軟に対応できるようになり大変助かっています。

“見える”現場で対応スピードだけでなく世界が変わった

―Photoruction導入後、どのような変化がありましたか?

吉田社長:
私たちの扱っている樹木は生き物であるため、現場では指示書通りに進まないことやトラブルもあります。今までは、写真が手元にない状態だったので電話で状況説明を受け、想像しながら判断し指示を出していたのですが、Photoructionで状況の確認がすぐに行えるようになりました。
現場の状況を確認できるというだけで、対応の速度や正確さはかなり変わってきました。お客さんへの報告にも写真があるので、スムーズに報告ができ、明らかにスピード感は増しました。その辺りはかなり世界が変わりましたね。
また、現地でこれを切ってほしいなど追加の要望があった時、写真を見て即座に金額が出せるようになりました。その場にいなくても現場が見えるようになり、すぐに判断ができることで業務効率も上がりました。
私たちは、同じ現場に年に複数回行くので、過去のデータが写真つきで見ることができるのは、職人さんからもすごくありがたいと声が上がっています。今までは文字だけの仕様書で、写真があったとしても古いものだったりしたので、過去に行った現場の情報が全て写真付きで見えるのは、作業する人にとってメリットしかありません。 ベテランの職人さんだと、樹木を見たら分かるというのはありますが、ただやっぱり同じ人が毎回行くわけではないので、誰が行っても同じような品質を保つためには現場の引き継ぎは必須です。そのための補助的ツールとして、Photoructionはかなり重宝しています。多いところは年3回くらい同じ現場に行くのですが、過去のデータを見て同じように仕上げることができ、切り過ぎている、切っていないなどのクレームがなくなり、品質保持といった観点でもすごく役に立っていますし、業務の標準化にも一役買っています。

正確な作業見積もりが出せることで無駄を削減、人手不足にも対応できる可能性に期待

フォトラクションに期待することと、今後の展望についてお聞かせください

土居さん:
ITツールの導入に躊躇している方がいらっしゃったら、ぜひこの情報が見えるという感覚を試ししていただきたいですね。電子黒板や報告書の作成も含め劇的に業務効率が変わると思います。建設業だけでなく、私たちのような造園業にも導入が進むことによって、業界全体の働き方改革にもつながっていけるのではないでしょうか。
当社としては、現在メインで利用しているPhotoructionの機能以外の機能も使いこなせるようにし、また当社で利用している他のシステムとの連携を図り、もっと作業効率を上げるようにしていきたいと思っています。そして、現場の職人さんの負担を減らしたいですね。職人さんが現場での作業に集中してもらえるよう、事務作業は並行して他の人が行うなど、会社全体として品質の保持と作業の効率化を図っていきたいと思います。

吉田社長:
先代の私の父の時代には、現場の状況を何度も電話で確認することが多くあり、状況把握にすごく時間がかかることもありました。今は、Photoructionで写真を見れば電話での細かい説明を受けなくても、現場に行かなくても、一発で状況を把握でき指示を出すことができます。特に複雑な工事の時などは、進捗も気になるのですが、Photoructionで状況を把握できるので、どうなっているのだろうと必要以上に心配することもなく、またきちんと情報が共有されるので、人に任せられる安心感もあります。
今後は、例えば動画や全方向の写真などの導入も検討し早めに対応していきたいなと思っています。
その場所の写真がないと、この場所やったの?などのお客様から問合せが来ることもあったりするので、部分的ではなく全体の情報をどのように残していくかが今後の課題です。全体の情報まで管理できるようになれば、新規の現場の情報を見積段階で現場責任者と共有し、正確な作業の見積ができるし、適切な人員配置ができるようになると考えています。図面など一部の情報では作業人数が5人必要かなと思ったけど、全体の情報が見えるようになれば4人で対応可能と判断できることも出てくると思います。

私たちの業界は、やはり人手不足が大きな課題です。私たちだけでは多くの現場を抱えられなくなることも出てくると思っています。今後は、遠い現場はその地域の会社にお願いするといった事業連携を視野に入れて検討しています。その現場に携わったことのいない人や他社さんにお願いする上で、現場の詳細や危機管理情報など、業務の情報共有にPhotoructionを活用するというのが想像できるし、正確な作業見積もりができることに大きな可能性を感じています。これからも積極的に活用していきたいと思います。

そして、今、当社は組織として会社を育てている段階です。社員一人一人が会社や仕事に誇りを持ち、また、SDGsの活動なども通じて、社会に対して貢献しているという意識が芽生えるような環境を作り、みんなが同じ目標に向かっていけるような仕組みづくりをしていきます。緑を扱うプロの技術集団として緑を適切に管理し、人々の生活を豊かにしていけるように今後も貢献していきたいと思います。緑があることで、見た目の効果もそうですが、季節を感じたり鳥や虫などの生態を知ることができたり、緑を通じて生活の表情が豊かになるということをぜひ皆様に感じていただきたいですね。

―業界全体の課題解決にもお役に立てると幸いです。お忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました!