DX本部デジタルデザイン部 部長 大倉佑介さん、高野まみこさん
株式会社船場
煩雑化したツールをまとめて作業効率を上げていきたい
―Photoructionの導入を検討された理由を教えてください。
大倉さん:
DX本部の取り組みとして、施工管理業務における生産性向上を図るべく、施工管理アプリを比較・検討しました。また、2024年に適用される36協定の上限規制によって残業時間も減らしていかなくてはいけないというのもあり、その施策の1つとしても施工管理アプリの導入を検討していました。そこでWebや展示会などで調べて出会ったのがPhotoructionでした。
高野さん:
弊社の課題としては、現場で撮影した写真の整理に時間を要していたり、撮影アプリ・クラウドストレージアプリ・図面編集アプリ等様々なツールやアプリを使っていたため業務フローの煩雑化というものがありました。業務の効率化を図るため、できるだけ一つのアプリで完結するようなサービスを探していました。
新留さん:
現場での作業の話になりますが、現場監理者がデジカメなどで写真を撮ったものをサーバーに入れてくれたものを私の方で確認しています。例えば報告書を作る時に欲しい写真をフォルダの階層を追って中を確認しないといけない上に、それがどこのフォルダーに入っているかを探し当てるのが結構大変でした。その手間を減らしたいと思っていました。
業界問わず利用でき、API連携ができるのも魅力
―数ある選択肢の中から、Photoructionをお選びいただいたポイントを教えてください。
大倉さん:
フォトラクションが一番多機能で使用感も良く、また建設業だけではなく弊社のような内装ディスプレイ業界の企業の導入実績も多かったことが決め手でした。
特に写真に絞り込み機能があり、目的の写真をすぐに探し出せることや、工程表が作成できることは積極的に活用できそうな印象を持ちました。また弊社で導入しているBOXや活用推進しているBIMなどの外部ソフトウェアとのAPI連携が可能なことも魅力に感じました。
ロールモデルを作り、効果測定を徹底!見える効果で導入を後押し
―導入時に困ったことはありますか?また社内への導入をどのように進めましたか?
高野さん:
初期導入時はデジタルへの取り組みに積極的なメンバーが九州に多かったので、まずは九州の事業本部からトライアルを始めました。それをロールモデルとして、得られる効果を打ち出して導入推進をしました。活用の手ごたえを得てきたタイミングでそのプロジェクトにかかわる管理職や外注監理者などのメンバーにも導入フォローを行ったことで活用対象者を増やすことができました。困ったときにはチャットやWeb会議等でのフォローだけではなく、実際の現場担当者の元を訪れ活用のレクチャーなども実施しています。また、初心者向け、上級者向けみたいな機能分けをして、月1回のフォトラクション説明会で、初心者向けの機能説明をしてもらうなど、毎月の説明会の設定も対象者に合わせて決定するということをやっています。
大倉さん:
九州の事業本部のメンバーが色々と試行錯誤しながら積極的に利用してくれたので、その後の展開がしやすかったです。九州での効果を確認した後、東京や他の地域にも導入を始めました。
実際、実務作業を行いながら新しいデジタルツールを導入し、効果測定をしてくというのは結構ハードルが高いと思っています。今回、DX本部と事業本部という体制の中で、事業本部では Photoructionの活用に挑戦し、DX本部で導入支援や効果測定を行うで、それぞれが役割を持って取り組むことができたのは大きかったと思います。
またPhotoructionの活用による生産性向上度合いを定量的に評価し、社内に共有してより活用していただけるように努めました。本稼働後も毎月フォトラクションさんに機能説明会を実施していただき、毎月の活用レポートと打ち合わせで、運用状況などを把握し、次に必要な施策の検討に役立てることができました。こういったサポートのおかげもあり運用率をのばすことができました。
導入にあたっては、費用対効果を気にすることが大きいと思いますが、きちんと効果を示せれば、働き方改善にもコスト削減にもつながると思うので、しっかり効果測定をしていくのは大切だと思っています。
タスク機能で夜間現場とのやりとりが便利に!欲しい写真もすぐに見つけられるようになった
―実際にPhotoructionを使ってみた上での感想を教えてください。
新留さん:
九州の現場ではPhotoructionを使って進捗管理や、現場とのやり取り、クライアントへ送る写真報告書の作成等を行なっています。
写真機能に関しては、日々の現場写真の確認はもちろん、現場で気になる点は、監理者に写真を撮って書き込みを行ってもらうことができるので、細かな確認ができるようになりました。写真の絞り込み機能はかなり便利に活用していて、写真も探しやすくなり、元の写真を残しつつ書き込みができるのもかなり有効活用しています。また、やり取りにいろんなツールを利用していると、情報を探すのも手間になっていましたがPhotoruction1つで情報のやり取りを完結できるので、確認も便利になりました。
枝野さん:
タスク機能を使って現場とのやり取りをしていますが、離れている現場でもリアルタイムに状況を確認できるので指示が出しやすくなりました。夜間現場もあるのですが、私は日中勤務だったりと活動時間が違うため、どうしても連絡が取りにくいこともありました。Photoructionで撮ってもらった写真などを日中確認しタスクを追加しておくことができるようになったため、スムーズにコミュニケーションが取れるようになり大変助かっています。
また、以前は作業終了後にまとめて写真を確認するなど、現場との時差があったのですが、写真機能で即時共有が可能になったので、関係者とリアルタイムのやり取りができるようになりました。
小さな変化も見逃さず効果を検証。作業時間が大幅に削減!
―Photoruction導入後、どのような変化がありましたか?またどのように効果測定を行なっていますか?
大倉さん:
まずは煩雑化していた業務フローをPhotoructionに一本化することができ、制作業務のデジタル化を推進することができました。
高野さん:
効果測定は、Photoructionの使用前後で写真整理の時間がどれくらい削減できたかや、やり取りする時間がタスク機能を使ってどれくらい効率化したかなど、今まで時間がかかっていたところを洗い出してそこを比較するような形で効果測定をしています。
大倉さん:
今まで現場のメンバーがなかなか効果を整理できていないという状況がありました。そのため一つ一つ洗い出していき、機能別に何が使えるか、既存の状況でその作業にどのくらいの時間がかかっていて、それが週に何回あったか、その業務はPhotoructionを使うとどのように変化したかなど、機能別や事象ごとにDX本部でヒアリングして取りまとめました。その結果、効果を数字で見られるようになりました。
例えば、すごく頑張った月だと、月に8時間程度の作業時間削減、写真整理は75%減というのを出すことができました。工程表もExcelで作っているのですが、修正や変更などがあると大変だったものが、Photoruction導入後は工程表を作るのにも30−60分くらい削減できたと数値で分析できるようになりました。細かい作業の部分もDX本部でしっかりと拾って効果を測定することにより、より正確な効果検証ができていると思います。
また、毎月の運用レポートで活用状況の定量評価ができるので、課題になる部分はDX本部でちゃんと分析して対策をして解決していくというところまでやっています。実際に使っている人がレポートを見ても、自分がどれくらいの時間使っているかくらいしか確認しないと思うのですが、私たちは管理している側なので、客観的にどの機能が多く使われているのか、稼働率など全体を確認することができます。
しっかりと整理をして効果測定していくことにより、ICTツールの活用における効果というのを示しやすくなり、結果その先に広がっていくと思っています。
枝野さん:
今までは、現場でチェックしたものを事務所でまとめる作業がありましたが、Photoructionの書類作成機能を使うことによって、その作業を簡略化でき、工数削減につながっています。
そういった効果をDX本部で分かりやすい数字にまとめていただけるので、現場を担当していない上司などにも具体的な数字でPhotoructionの効果を説明できるようになったというのは大きい変化です。
デジタルツールを積極的に活用し、環境に配慮しつつ生産性の高い働き方を!
―フォトラクションに期待することと、今後の展望についてお聞かせください
高野さん:
例えば工程表の作成や書類作成等、ブラウザでできることをタブレットでもできるようになれば、重たいPCを持ち歩くことなくタブレットで完結できて効率化に繋がると思います。施工管理業務の更なるスマート化を期待しています。
大倉さん:
弊社ではエシカルとデジタルの実装という戦略をもとに業務推進を行っています。
内装ディスプレイ業界は数年で改装などを行うため、利便性、効率、見た目だけではなくサスティナビリティを意識した空間や環境に配慮したデザイン、温室効果ガス排出量の削減などにも取り組んでいきたいと思います。
また、コミュニケーションやデータのやり取りの手段が増え、標準化ができていないと人それぞれのやり方になり、結果として属人化してしまい煩雑になります。今はよく使う機能だけがピックアップされていますが、なるべく一つのアプリケーションで業務を完結できるようにしていきたいと思います。
是正などの手戻りによる資材や時間のロス、また担当者の現場への移動の回数が多いことはCO2排出にもつながっているため、デジタルツールを積極的に活用し、環境に配慮しつつ生産性の高い働き方を行っていきたいと考えています。
―今後もDX推進のお役に立てると幸いです。お忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました!