全社導入で工事所業務を標準化する仕組みを構築!建設BPOサービスも活用し、さらなる業務効率化、残業時間削減を目指す!

ICT統括センター イノベーション部 DX推進課 平塚幹大さん(左)、東日本支社 建築技術部 計画・生産設計課長 吉田健一郎さん(中)、西日本支社 建築技術部 技術課 三好裕さん(右)

株式会社奥村組

土木・建築両事業に投資開発事業等を加えた総合インフラストラクチャー企業として、全国で事業を展開する株式会社奥村組様。 東日本支社 建築技術部 計画・生産設計課長 吉田健一郎さん、西日本支社 建築技術部 技術課 三好裕さん、ICT統括センター イノベーション部 DX推進課 平塚幹大さんに、建設生産支援クラウド「Photoruction(フォトラクション)」を導入したきっかけや導入後の変化、今後の展望について伺いました。

工事所の業務負担を減らすことで残業時間の削減を図り、社内の業務を標準化できる仕組みを作っていきたい

―Photoructionの導入を検討された理由を教えてください。

平塚さん
工事所で働く職員にとって、工事写真の整理や各種検査業務は大きな負担となっていました。それを軽減するために有効なツールがないか探していたところ、ある展示会でPhotoructionを知り、導入の検討を開始しました。

吉田さん
私は以前「業務改革推進プロジェクト」という部署に在籍していました。そこで、2024年4月から建設業界にも適用されることとなった「時間外労働の罰則付き上限規制」への対応として、工事所職員の時間外労働を削減するには、工事所業務を内勤部門などで行えるような仕組みを構築することが急務だと考えました。
しかし、工事所によって業務の進め方がまちまちであるうえ、工事所職員にしか分からない内容もあり、業務を切り離すことが難しいという実態がありました。内勤部門などでも支援ができるようにするためには、全社統一のルールを設け、工事所業務の内容や進め方を標準化することが必要だと考えました。 業務によって使うツールやアプリが異なる煩雑さを解消し、一つのICTツールで様々な業務が完結できないかと考えていた時に、ICT統括センターより「Photoructionの導入に向けて一緒に検討していかないか」と話があり、共同で進めることとしました。

UIデザインがわかりやすく初めての人でも直感で操作できる。求めていることを全て実現できそう

―数ある選択肢の中から、Photoructionをお選びいただいたポイントを教えてください。

三好さん
新しいものを導入する場合、どんなに良いものでも新たに操作を覚えたり、またその操作が複雑だったりすると、最初の段階でつまずき、うまく浸透しないのではないかと懸念していました。
Photoructionのアプリは、分かりやすいUIデザインで直感的に操作できると感じました。特に写真のアップロードがスムーズに行えることに驚きました。これであればストレスが少なく導入に踏み込めるのではないかと思いました。

平塚さん
工事写真整理の効率化を検討していたので、アプリで写真を撮影するだけで自動整理される機能は決め手となるポイントの一つでした。

吉田さん
業務改善、工事所業務の効率化、標準化などを一つのICTツールで完結させたいと考えたとき、Photoructionであれば、当社が求めることを全て実現できると感じました。また、機能カスタマイズにも柔軟に対応していただけるので、一緒に作り上げていけるのではないかと思いました。さらに、建設業に特化したBPOサービスもあり、業務の切り分けを安心して任せることができそうだなと思えたところもポイントでした。

まずは触ってもらう!サポート体制も整え、利用を促す

― 導入時に困ったことはありますか?また社内への導入をどのように進めましたか?

吉田さん
今までのやり方に慣れている中で、新しいものへの抵抗感がある人も少なからずいると思ったので、試験導入する工事所の職員を対象にPhotoructionの操作説明会を開催し、まずはアプリを使用して慣れてもらうことから始めました。「慣れたら便利」と感じてもらえたようで、現在も使い続けてくれています。
また、本年4月に工事所を支援することを目的に新設された「工事支援課」のICTツール担当者が、毎月発行されるPhotoructionの運用レポートで利用率を確認し、利用していない職員に操作方法などを教える活動をしています。

写真管理、検査業務の作業負担が軽減、リアルタイムでの確認で業務効率が向上

Photoruction導入後、どのような変化がありましたか?

吉田さん
実際にPhotoructionを使った人からは、「使いやすい」「次の現場でもまた使いたい」などの声があり、大変好評を得ています。これまでは、撮影した写真データをデジカメやスマホから共有サーバーのアルバムにアップロードし、それぞれの写真にコメントを打ち込んでいくという作業が、工事所の残業時間が増える一つの要因となっていました。また、この作業が終了しないと、支社店の技術部門では工事写真を確認することができず、不足している写真や撮り直しの必要などがあっても、タイムリーに指示を出すことができませんでした。
Photoructionを導入したことで、撮った写真がリアルタイムでクラウドにアップロードされ、工事所での写真整理業務が大幅に削減されるとともに、支社店でも写真をすぐに確認できるため、技術部門における写真管理もスムーズに行えるようになりました。

三好さん
現場での各種検査業務に関しては、検査当日に製本した図面や検査シートなど、多くの荷物を持参しなければならず、準備にも時間を要しました。Photoructionでは、あらかじめアップロードした図面を閲覧することができますし、検査シートの作成も容易なため、準備にかける時間と労力を減らすことができました。また、今までは、検査記録を出力した紙に手書きしていたため、文字が読みづらかったり、雨で濡れて読めなかったりといったこともありましたが、Photoructionを利用することで、こうした問題も解消されました。

建設に特化したBPOサービスなので安心、コア業務に集中してもらう環境づくりが大切

― 建設BPOサービスはどのようにご活用されていますか?またBPOサービスを取り入れていくことに関してどのようにお考えでしょうか?

吉田さん
建設BPOサービスを活用して、当社のルールに基づいた電子黒板、配筋検査シートのフォーマット作成をお願いしています。フォトラクション社のBPOサービスは、建設業に特化しているので安心してお任せすることができます。このサービスを利用することで、工事所によってばらばらであった仕様が統一され、業務の標準化につながっています。当社に限ったことではないですが、BPOサービスで社外に業務を委託していくと、自社の技術力が落ちる、技術者が育たなくなるという話があります。
しかしながら、建設業における一番の問題は人材不足であり、このままでは残業規制などの影響により、建設現場は立ちいかなくなります。そうならないためにも、まずは工事所で確実に遂行しなければならない現場管理などの業務(コア業務)をきちんと行える環境や体制を作りあげる必要があると考えています。 また、工事所から分離させた業務は、内勤部門で行っていますので、工事所で教育する余裕がないのであれば、定期的に内勤部門とジョブローテーションをして一連の業務内容を学べるようにすることも有効かと思います。今後はこのような組織体制を構築していくことも課題ですね。

社内システムと連携したデータベースを構築し、更なる業務効率化を目指す!建設業界の魅力を感じてもらいたい

― フォトラクションに期待することと、今後の展望についてお聞かせください

平塚さん
Photoructionに限らず、これまで業務効率化を目指して様々なICTツールを導入してきました。今後も新たなツールなどを取り入れ、職員に「ICTツールを使うとこんなに業務が楽になるんだ」と実感してもらいたいです。

三好さん
BIMモデルなどの他のシステムもPhotoructionに集約し、全てが連動するような仕組みができればいいなと思っています。業務に追われて安全管理や品質管理が疎かにならないように、無駄な業務を削減し、余裕をもって仕事ができる環境をつくっていきたいですね。

吉田さん
現在までに、Photoructionを全社建築部門に導入し、当初の目標であった工事所の負担軽減、内勤部門での支援体制の構築、工事所ごとに違う業務内容の標準化、を達成することができましたが、今後もさらなる業務効率化を目指していきます。例えば、工事所における各種検査記録は紙で保管しているため、社内で水平展開することが難しい状況です。検査の指摘事項などをデータベースとして蓄積し、いつでも簡単に参照することができるようにできれば、品質管理にも大きく寄与すると思います。Photoructionと別システムを連携したデータベースを構築し、次の現場で有効活用できるような仕組みを実現したいですね。

建設業界は「残業が多くてきつい」というイメージを持たれがちですが、たくさんの魅力もあります。働きやすい職場環境を実現し、建設業界に興味を持って就職する人が増えてくれることを期待しています。フォトラクションは、私たちが思い描いている未来へ一緒に進んでいただけると感じています。ぜひ今後もともに建設業界を盛り上げていければと思います。



―今後も業務効率化のお役に立てると幸いです。お忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました!