社内の電子図面・書類管理システムをPhotoructionに刷新、必要な情報を必要な時に必要な人が見られるようになり業務効率が向上

左から 狩野担当部長、荒木工事グループ長、佐藤さん

鹿島建設株式会社

「全社一体となって、科学的合理主義と人道主義に基づく創造的な進歩と発展を図り、社業の発展を通じて社会に貢献する」を経営理念とし、大手総合建設会社として日本を代表する企業の一つである鹿島建設株式会社。 今回、社内システムに「Photoruction(フォトラクション)」を導入したきっかけや導入後の変化、今後の展望について、建築管理本部 狩野担当部長、建築管理本部 荒木工事グループ長、建築ITグループ 佐藤さんにお話しをお伺いしました。

膨大なデータの管理や検索を効率的に行いたい

―Photoructionを導入する以前の背景や課題を教えてください。

荒木さん:
当社は、長年建設事業に携わってきたなかで、事業の根幹ともいえる「建物」に関するデータ、たとえば図面や検査資料等について膨大な量を保持しています。もし、建物所有者様が困ったときには、すぐにその問題に必要な建物情報を確認し、問題解決を図っています。そうした我々の歴史でもある「建物」に関するデータを保管・管理する部分でPhotoructionを導入しました。

2000年以前は、図面や検査帳票、各種計画書等をすべて「紙」で保管することが当たり前でした。それが世の中の技術の進歩と、「紙」で保管するための場所確保の非効率性により、電子データで保管するという流れになりました。そのため、当時は、過去のものを含めて、各種「紙」の資料をすべてスキャンニングしてTIFF化し、名前を付け、そのデータを保管することを始めました。TIFFにしたのは、恒久的にデータが見られる保管形式だと当時判断したからです。その頃は、CDなどを利用してデータを保管していて、本格的にデータベースという意味で管理し始めたのは、2008年以降かと思います。その後、データ形式もTIFFから扱いやすいPDFに変更しました。

2015年に建設業界で杭に関する問題が起こったとき、我々も過去のデータを検証することが発生しましたが、保管されていた膨大なデータから、複数の建物に対し、必要な情報を探しだすというのは、相当な労力が必要でした。その当時のシステムは、保管する情報に対して建物を特定し、知りたい情報を取り出すことはできるのですが、複数の建物に共通する情報を見つけ出して取り出すといった使い方に関しては、機能が追い付いていなかったと思います。情報を探す労力をいかに削減するかが課題になりました。また、保管する情報は増え続ける一方で、今のようなクラウドへ無制限に保管できるサービスもなく、容量制限問題にも直面していました。
そうした背景から、サーバーの容量を増やすための費用削減や、業務効率を上げる効率的な情報検索の機能を持つデータベースシステムの検討を続けていました。

技術の躍進力に期待、業界の評判も良く、要望に真摯に対応してくれる姿勢が好印象

―数ある選択肢の中から、Photoructionをお選びただいたポイントを教えてください。

狩野さん:
フォトラクションに出会ったのは、2018年の展示会が最初だと思います。若いベンチャー企業さんという印象だったのですが、代表の中島さんが建設会社のご出身ということもあって、業界に精通しているというところに注目させていただいていました。その1年後くらいにまたお会いする機会があったのですが、その時はサービスの進化に驚いたのを覚えています。ベンチャー企業さんといっても、技術力やサービスの躍進力がすごく、1年前と全く違う。これは一体どこまで進化するのかと大変驚きました。そして社内システムの入れ替えを検討していたこともあり、その再会をきっかけに真剣に検討してみようという流れになりました。
フォトラクションというネーミングも建設業に馴染みやすくていいです。図面の閲覧方法やスピード感などをとっても、直感的に我々にも使えそうだなという印象が強かったのを覚えています。建設業界関係者の会合などで他企業様とお会いすることがあると、「Photoruction使っている?」という会話も増えてきました。すでに導入している周囲の他企業からの評判も良かったので、その声も背中を押してくれるきっかけになりました。当社のグループ会社であるケミカルグラウトも利用を始めていて、いろいろと評判を聞いていました。

荒木さん:
システムを刷新するにあたっては、国内外のサービスをいくつか比較検討しました。しかし、費用がかなり高かったり、権限付与の考え方が望んでいたものと違ったり、海外のシステムではセキュリティ面で心配があったり等、なかなか我々の要望に合致するものが見つかりませんでした。特に、過去の必要なデータを見つけ出す苦労をした経験から、機能に関してこだわりがありました。例えば、従来のシステムでは、ファイル名から内容を推測しダウンロードして中身を確認するしか、必要な情報かどうかを判断する方法がなかったのですが、ダウンロードにも時間がかかり非常に作業効率が悪い。そこで、ダウンロードしなくても、保管しているデータがどのようなものか確認できるように、サムネイル表示にこだわりました。また、閲覧の権限管理が細かく設定できなかったので、その人に必要ではない情報にもアクセスできるようになっており、不要な情報もダウンロードされてしまう可能性がありました。最悪、情報漏洩等のリスクにつながる為、アクセス権限の付与は綿密に行いたいと考えており、機能面、セキュリティ面の要望は強かったと思います。
そうした、我々の要望に関しても、真摯に受け止めてくれ、一緒に考えていただき、解決策を提示してくれた姿勢もPhotoruction導入の大きな決め手となりました。

機能面もセキュリティー面でも建設業界で働く人のために考えられているサービスに安心感

実際にPhotoructionを使ってみた上での感想を教えてください。

荒木さん:
元々ある鹿島建設のシステムの一部をPhotoructionに置き換えるということで、通常のPhotoructionの使い方とは少し違う部分もありますが、当社の根幹である情報をお任せするというのは、大きな決断でもありました。
ちょうどフォトラクションの導入前に全社員へiPadを配布したタイミングでしたので、iPadに対応しているというのも重要でした。十数年前、私が現場にいた時は、図面をもって黒板をもってカメラをぶら下げて・・・両手いっぱいで現場に出向いていたのですが、今は、iPadひとつでそのすべてが済みます。現場で働く社員からしたら革新的なことです。そうなると、さらに、現場にいても、関係するいろんな情報が見たいという要望は出てきます。ただ、現場はどこも通信環境が良いとは限りません。しかし、Photoructionはどんな通信環境下でもサクサク使えるようになっていてすごくありがたいです。真剣に建設業界で働く人のことを考えてくれて開発されているなと感じています。

旧システムからPhotoructionへデータを移行したとき、1317万ファイル、14TBくらいのデータを移行しました。その後、毎年1~2TBの情報が増え続けています。それと、旧システムでは、大きな範囲での権限管理しかできなかったのですが、11支店+本社の各部署それぞれに権限を付与できるようになり、必要なデータを必要な時に必要な人に届けられるようになりました。膨大なデータベースにどこからでもアクセスできるので、業務はかなり効率化されていると思います。

佐藤さん:
実際にデータを登録して運用を行っていますが、困ったときにもすぐにサポートしていただけて、フォトラクションはパートナーとして一緒に課題を解決していこうという姿勢で進めていただけるのですごく助かっています。

現場からの声があがってこない!システムが浸透しているのを感じる

―実際にご利用されている現場からはどのような声がありますか?

荒木さん:
それが現場から声はあがってこないんです!
あがってこないというのは、悪いことではなく、利用者が満足しているからなんですよ。以前、システム更新したときは、通信ができない、表示が遅い、ダウンロードに時間がかかりすぎるなど、かなりの量の問い合わせがあがってきていました。すぐにサーバーの機能向上などの対応をしていましたが、Photoructionの導入時には、利用者から問い合わせがほぼありませんでした。これは運営側としてはとても嬉しいことです。今後使用頻度が上がるにつれて、改善希望などがあると思いますが、そうした要望にはフォトラクションさんと一緒により使いやすいシステムになるよう協働していきたいです。
ただ、データ登録する側からは、もう少し登録時間の短縮が出来たらよいという声はありますね。すでに操作に慣れてきたのもありますが、全国では年間1000件以上の現場が動いており、時期が来れば竣工し大量のデータを登録する作業が発生します。そのため、登録時間が早くなるともっと業務効率があがると期待しています。

狩野さん:
確かに着実に利用者数は増えている状況のなかでも、マイナスな声は上がってこないですね。よい意味で社内に浸透していっているのを感じています。

Photoructionを活用し、更なる業務効率化を図りたい、鹿島建設のパートナーとしてこの先も一緒に建設DXを進めていきましょう

それでは最後に、Photoructionに期待することと、今後の展望についてお聞かせください。

佐藤さん:
データの種類も変わってきて、BIMも増えているのですが、PhotoructionもBIM機能がついているので、それを活用していきたいなと思っています。その辺に関しても今後もサポートしていただけると嬉しいです。

狩野さん:
今、建設業どの会社もそうですけどDX化、デジタル化を進めています。当社もスマート生産というコンセプトの中で、全ての作業をデジタル化するという対応を進めています。その中でPhotoructionは当社の事業の基盤となるデータを蓄え、活用するためのプラットフォームの一つと位置付けられます。容易にかつ安全に活用できる手段が提供された今、鹿島のデジタル化もさらに進められるものと期待しています。建物は竣工した後も適切に点検・補修・管理して、次のリニューアルや建て替えにつなげていくというサイクルですが、それぞれのプロセスの中で、デジタル化による業務改善が求められています。特に、施工現場においては工程管理、写真管理、検査など、様々な業務に対応したITシステムを使っていますが、生産性の向上が求められる中、それらのさらなる改善、集約、連携など、まだまだ見直せるべき点はあるでしょう。そういう中で、今は、Photoructionの一部の機能しか利用していませんが、進化を続けるPhotoructionの他の機能も活用してみたいですね。

荒木さん:
当社は180年以上の歴史があって、「100年をつくる会社」として、これからもお客様の信用・信頼を得続けないといけないと考えています。そのパートナーとして選ぶ企業のサービスも、5年とか10年でやめます、というのでは困ってしまいますので、長期的な信用力が、一番の懸念事項でした。もちろん当社の要望が特殊なのは理解しているのですが、フォトラクションはそうした懸念事項も踏まえながら、様々な課題へきちんと相談にのってくれて解決策を提示し、スピード感をもって対応してくれました。新しいものを選ぶときには、様々な壁があると思うのですが、その壁をすべて乗り越えてきてくれたのがフォトラクションでした。100年後に会社があるかとかは誰も分からないですが、建物は残り続けます。そうした建物に対する、我々の根幹であるデータやシステムをお任せするパートナーとしてこれからも一緒に進みたいと思っています。
また、2024年の残業規制が始まるので、さらなる業務効率化を図っていかないといけません。実際、Photoructionを使って、業務効率は上がりました。Photoructionの機能をもっと活用したら、さらに業務効率が上がるのではないかと期待するところもありますので、今は図面データ管理をメインに使わせていただいていますが、それだけにするつもりははく、当社の環境に組み込みながら、今後ほかの機能も活用していきたいと思っています。

―歴史のある鹿島建設様の根幹のデータを担うシステムとして、今後も一緒に建設DXを進めさせていただきます。お忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました!