工務購買本部 取締役副本部長 矢野 忠さん、工務購買本部 設計チーム 友澤 青空さん、工務購買本部 内田 敏之さん
株式会社一宮工務店
写真整理と現場・事務所間の移動が負担に。働き方を見直すためICTツールの活用を検討
―Photoructionの導入を検討された理由を教えてください。
矢野さん:
もともと大きな課題だったのは、工事に伴う書類作成に時間がかかることです。なかでも、工事写真の整理には多くの時間を要していました。
現場では当然、毎日多くの写真を撮ります。ただ、撮影したその日に「この写真は提出する」「これは不要」といったところまで細かく整理する余裕はなかなかありません。ある程度の分類まではしていても、最終的な提出用の整理は後回しになっていました。そうすると、工事の終盤になって写真を提出するときに、まとめて整理することになり、現場によっては2〜3週間ほどかかることもありました。さらに「あのときの写真はどこにある?」となれば、現場担当者は撮ってあることは分かっていても、整理しきれていない中から探さなければなりませんでした。写真の枚数が多いので、その作業だけでも相当な時間になります。また、施工書類や報告書類についても、現場が終わってから作業することが多くあり、どうしても残業時間が増えてしまう傾向にありました。そこで、単に写真台帳を作成するだけではなく、撮影した写真を現場担当者だけでなく管理側からも確認でき、整理しやすい仕組みが必要だと考えるようになりました。
もう一つ大きかったのが、現場と事務所を行き来する時間です。以前は図面を紙で持って現場へ出ていました。当然、すべての図面を持ち歩けるわけではありませんので、現場で職人さんから質問を受けて、「別の図面を確認したい」となれば、一度事務所へ戻って図面を探し、確認したうえで、再び現場へ向かうことになります。現場と事務所が同じ敷地内にあっても、往復すれば10分くらいかかります。それを1日に5回繰り返せば50分です。それが毎日積み重なれば、大きな負担になります。必要な図面を現場でそのまま確認できれば、この移動時間をかなり減らせるのではないかと考えていました。

内田さん:
以前から写真管理用のツールを5年ほど使っていました。ただ、基本的には写真を撮影して写真台帳にする機能だけを使っていました。そのため、書類作成時にはあらためて写真を整理する必要があり、作業に時間がかかっていました。
工事写真を十分に整理できていないことが最も大きな課題だったため、その課題を解決できそうなツールを探していました。
最大の課題だった写真整理。使いやすさを重視してPhotoructionを選定
―数ある選択肢の中から、Photoructionをお選びいただいたポイントを教えてください。
内田さん:
以前から使っていたツールも写真管理に特化したものでしたが、工事写真の整理は依然として最も大きな課題でした。そのため、写真管理機能の使いやすさを軸にツールを検討しました。数社を比較する中で、Photoructionの写真整理機能と書類作成機能は分かりやすく、画面も直感的に操作できるという印象を受けました。
最も困っている業務から改善することを重視していましたが、将来的には写真以外の機能も使いたいという考えもあり、ほかの業務の効率化や情報共有にも活用できると考えたため、Photoructionの導入を決めました。

矢野さん:
実は、フォトラクションを知ったのは、検査代行をお願いしている協力会社さんがきっかけなんです。検査業務でどのツールを使っているのかを聞いたところ「Photoructionを使っています」と教えていただき、まずそこで名前を知りました。いろいろと話を聞く中で、写真管理もスムーズに行えると知りました。その後、社内で写真管理システムの導入を検討し始めたときに、フォトラクションの名前が出ていたので、面白い縁だったなと感じています。
「まずは写真から」利用を開始。使いやすい機能を起点に社内での定着へ
―導入時に困ったことはありますか?また全社への導入をどのように進めましたか?

矢野さん:
各現場へのiPadの配布から始めましたが、正直なところ、操作になじめない社員もいました。全員が同じペースで使い始めるのは難しいため、まずは操作に慣れた社員を中心に利用し、不慣れな社員をフォローしながら進めていこうと考えました。まずは写真管理機能から利用を始めました。写真機能は操作も比較的シンプルで、使い始めやすかったのではないかと思います。現在は、写真機能だけではなく、検査機能や他の機能も活用しています。
検査では、指摘箇所を場所と番号で管理し、指摘事項を一覧にして専門工事業者の方へ渡せるという利便性から、社内でも次第に使い方が浸透していきました。また、若い社員を中心に、図面確認などにも使うようになっています。
正直なところ、導入前はもっと多くの質問や問い合わせが来ると思っていたのですが、意外と少なかったですね。そこは驚きました。写真機能から入ったのが良かったのと、Photoructionの直感的な操作性が定着につながったのかなと思います。
2〜3週間かかることもあった写真整理を日々の作業へ。リアルタイム共有で現場の状況確認も円滑に
―Photoruction導入後、現場や管理側ではどのような変化がありましたか?
内田さん:
最も大きな変化は、写真整理や書類作成の負担が軽くなったことです。以前は工事の終盤にまとめて写真を整理することもあり、その作業に2〜3週間ほどかかることもありました。しかし、今は日々整理しながら進められているので、写真整理に苦労している、時間がかかっているという話をほとんど聞かなくなりました。
各現場の写真がその都度アップされるため、管理側でも「ここはおかしくないか」と問題に気づきやすくなり、早い段階で現場へ指摘できるようになりました。検査についても、紙に印刷して提示する必要がなくなり、印刷する紙の量はかなり減りましたね。また、以前は図面を見るためだけに現場と事務所を何度も往復していましたが、今はPhotoructionを使って現場で必要な図面を確認できるため、事務所に戻らずに済むようになりました。移動時間の短縮にもつながっています。
矢野さん:
本部を含めた社内の情報共有も課題でした。Photoructionを活用するようになってからは、写真や情報をリアルタイムに確認・共有できることをとても便利に感じています。
工事は、次の工程へ進んでしまってから問題に気づくと、修正するのが大変になります。だからこそ、まだ直せる段階で気づいて連絡できることに意味があります。リアルタイムで確認できるのはとても便利です。
ベテラン社員がすべての現場を直接回らなくても、登録された写真を見ることで施工状況を確認し、経験に基づいた意見を現場へ返すことができます。現場への助言に経験を生かせる点は、情報共有の面でも大きな変化ですね。写真を単に保存するのではなく、写真を通じて本部や管理側と現場がつながるようになったと思います。
現場や時期にもよりますが、残業時間は以前と比べて大きく減り、担当者一人あたり1日2〜3時間短くなったケースもあると思います。定時後30分ほどで仕事を終えて帰れるようになった現場もあります。また以前は、最終的な書類提出の時期に慌ただしくしていましたが、今は日々の作業で整理できているため、提出前の慌ただしさも減ったと思います。社員にとっても退勤後に自分の時間を持てるようになったことは、とても良かったんじゃないかなと思っています。
移動や書類整理にかかる時間を減らし、社員が「人にしかできない仕事」に集中できる働き方へ
―Photoructionに期待することと、今後の展望についてお聞かせください。

友澤さん:
私は設計側なのですが、現時点ではPhotoructionを使う機会が現場ほど多いわけではありません。
今は、現場の方が撮影した写真を確認したり、設計側の検査で図面上の項目を確認したりするときに利用するのが中心です。
ただ、主に現場で使っているPhotoructionを、今後は「設計と現場を連携するツール」として、もっと活用できるのではないかと考えています。設計側から現場を確認・管理するときに、写真だけではなく動画を利用できるようになると、より状況を把握しやすくなると思います。例えば、現場の様子をリアルタイムに中継できたり、ほかのソフトや機器と連携して映像や情報を確認できたりすれば、設計担当者が遠方にいても現場を確認しやすくなります。
現場に行かなければ把握できなかった情報を離れたところから確認できれば、設計と現場が連携しやすくなると思います。そうした機能の拡充やBIMとの連携が進み、写真、図面、動画、3Dデータなど、施工に関わる情報を一つの環境で確認できるようになれば、設計側にとってもPhotoructionを活用する場面はさらに増えていくのではないかと思います。今後の進化に期待しています。

内田さん:
建設業では2Dの図面だけでなく、3DモデルやBIMの活用がさらに進んでいくと思っています。我々もBIMを取り入れていますが、たとえば、現場でPhotoructionを開き、写真や図面とBIMデータを一つの環境でよりスムーズに確認できるようになれば、現場で確認できる情報がさらに増えますし、施工管理そのものももっと効率化できると思います。将来的にはPhotoructionとBIMを含む各種データとの連携がさらに強化されることを期待しています。
また、Photoructionを通じて専門工事業者さんともリアルタイムで連携できるようになり、時間や場所に左右されず、工程に関する情報を共有できる環境になっていったらいいなと思っています。
矢野さん:
現在は、協力会社さんをプロジェクトごとに招待し、情報を共有できています。双方がPhotoructionを利用している場合に、組織をまたいで一つの現場の情報を円滑に共有できる仕組みが整うと、さらなる効率化につながると思っています。将来的には、進行検査から1年・2年後のアフター検査まで、一貫した情報連携が実現できると嬉しいですね。
また、今後も事業を続けていくためには、ICTの活用に対応していく必要があります。ただ、ICTを使うこと自体が目的ではありません。フォトラクションには、技術や業界動向に関する情報を共有いただきながら、私たちも活用の幅を広げ、ともに成長していければと思っています。さらに、今後建設業は、ロボット、フィジカルAIなどの新しい技術の活用がさらに加速し、現場管理の方法そのものも変わっていくのではないかと思います。そうした技術を含む現場の情報を集約・管理するプラットフォームとして、Photoructionが発展していくことを期待しています。
建設業は人が減ってきていますし、高齢化も進んでいます。そうした中で、若い人たちが働きやすい環境をつくっていくことが、これからの大きな課題だと思っています。働く時間を少しでも短くし、きちんと休みを確保できる環境を整えて、若い人たちにも「建設業で働いてみたい」と思ってもらえるような、魅力のある業界を目指していかないといけないと感じています。
これから先、ICTツールやAIを活用して、移動や書類整理、事務処理にかかる時間を減らし、人は人にしかできない仕事に時間を使う。そして仕事を終えた後は、社員が自分の時間を持ち、休日にはきちんと休める。そんな働き方が当たり前になる建設業を目指したいですね。
―円滑な情報共有に向けて引き続きサポートさせていただきます。お忙しい中、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!