現場の要望を実現してDX化に成功!現場も管理部門も作業効率が向上

技術管理部 福岡さん 早坂さん 塚本さん

株式会社大京アステージ・株式会社穴吹コミュニティ

創業以来、50年以上に渡り分譲マンション管理、居住者サービス、管理員業務を行っている株式会社大京アステージ様。全国35カ所に支店・営業所があり、株式会社穴吹コミュニティと共に約9,500棟のマンション管理組合の支援を行っています。 今回、技術管理部 福岡啓太さん、早坂章さん、塚本大介さんにお話しをお伺いしました。技術管理部では、建物の維持管理、メンテナンス、修繕のサポートを行っており、「Photoruction(フォトラクション)」を導入したきっかけや導入後の変化、今後の展望についてお話しいただきました。

利用するサービスを1つにしたい。現場で作業のための拘束時間の短縮を図りたい

―Photoructionを導入する以前の課題を教えてください。

福岡さん:
Photoructionを導入する以前は、他社のクラウドサービスを使っていました。その時は、大京アステージと、穴吹コミュニティで別々のサービスを利用していました。両社で同じサービスを使っていこうという話になったときに、今まで利用していたどちらかのサービスにするか、全く別の新しいサービスにするか検討をしました。
元々使っていたサービスは、まずテキストで関連項目を入力していき、写真は最後に紐づけするようなシステムでしたが、その場でテキストを入力しないといけないため、現場での拘束時間が長くなり、負担がかかりすぎるという課題がありました。また、営業部門の利用者からも、テキストありきではなく、写真に情報を付加したいという要望があがっていたので、それを解決できるサービスを探していました。

写真を基点に情報を紐づけることができる!建設業界に精通している企業姿勢が好印象!

―数ある選択肢の中から、Photoructionをお選び頂いたポイントを教えてください。

福岡さん:
実際、数社のサービスを検討しました。その中で、Photoructionは、写真に対していろんな情報を付加していくことができ、写真を撮っておけば後からでも情報を入力できます。その写真機能を基点とした上で、保守点検、点検業務、工事管理などにも幅広く使えるクラウドサービスが良いという話になりました。トライアルを経て、以前使っていたサービスと比べ作業時間の短縮につながり、課題を解決することができると思い本格導入に至りました。
また、実はもう一点検討にあたり重要視した項目があります。それは企業や担当者のマインドです。やはり当社内で展開していくときに、建設業に対する思いが伝わることが大切だと考えていました。検討中に、同業者の知人らと情報交換を行うことがあったのですが、フォトラクションは、建築業界に対する熱い思いや、マインドがすごく良いという他企業からの高い評価を受けられていました。実際、担当者の方と話してみても「建設の世界を限りなくスマートにする」という建設業界に対する思いが伝わってきたのも決め手のひとつになりました。

利用者の要望を実現したことで抵抗感が少なく導入もスムーズに

――導入時に困ったことはありますか?また社内への導入をどのように進めましたか?

福岡さん:
当社は元々、他社のサービスを使っていたので、新たなサービスに切り替わることへの抵抗感だけで済みました。それに、利用者である社員から、写真に情報を紐づけたい、写真の管理をなんとかしたいという要望があり、その要望を叶えるという形だったので、導入はスムーズだったと思います。また、直感的に操作しやすいアプリ構成になっているのも、分かりやすくて良かったです。
一番困った点は、Photoructionという新しいサービス名称の浸透で、日々の業務やさまざまな資料にもPhotoructionという名称を出して、新たなサービス名称を浸透させる努力をしました。

早坂さん:
説明会を開き、以前使用していたサービスとPhotoructionとの新旧比較表を作って、説明を丁寧に行いました。前よりも良いサービスという印象で展開できたのは良かったと思います。施工管理の現場にはITツールに慣れていない社員もいますが、Photoruction1つで作業が完結するという進化と便利さを体験してもらいました。操作は覚えてしまえば簡単で、今まで写真をデジカメで撮り、事務所でエクセルに貼るという作業と比べると、作業が断然早く便利になったという声が上がっています。

社内のルール化に成功!災害時にもPhotoruction活用で作業スピードアップを実現

――導入後、どのような変化がありましたか?

早坂さん:
Photoruction導入後は、外壁の点検などをPhotoructionで行うことができるようになりました。実際の利用者からも作業効率があがったという声もあり、月2回の巡回点検は、Photoructionを使って行うことが技術社員の必須ルールになりました。今までは、デジカメで撮ってデータをまとめてというスタイルだったので、作業時間が大幅に取られるため難しかったことが、導入によって作業負担も大幅に減り、社内でルール化できたことはとても良かったです。

大京アステージ 社内事例集

また、当社は東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震などの災害の対応をしていますが、福島県沖地震は、Photoructionを導入して初めての災害対応でした。
甚大な災害によりマンションに被害が発生すると、各マンションの被害状況の報告として「罹災証明書」の発行申請を各市町村に行うのですが、その時に被害状況の写真が必要となります。被災地に入り、現地マンションにてPhotoructionを活用し、1人が現場でスマートフォンを使い写真を撮り、事務所では共有された情報を基にPCですぐに資料を作成することができました。速やかな申請がその後の対応にも影響する状況で、スピード感をもって連携することができたことは大きな成果と言えます。
情報の共有は簡単なようで難しく、言葉で伝えても伝わらない、ましてや災害時などは難しいと思います。Photoructionを活用し写真を即時共有できたことで、災害時対応のスピードが向上し、実際にお客さまからも高い評価をいただきました。こういった有事の時にも活用できることも証明できたと思います。

現場ごとで体験会を実施し習熟度が向上、困ったときのサポートを積極的に実施

――大京アステージさんは、協力会社さんにもPhotoructionをご利用いただいていますが、どのように広めたのでしょうか?

福岡さん:
実は、以前DX化をしようという思いが先行し、管理部門から営業部門に一斉に「これでお願いします!」と導入したことがあったのですが、スムーズに導入することが出来なかった事例がありました。その時の反省を生かし、少人数で営業部門ごとに説明会を開き、その際に協力会社さんも呼んで、操作などを実際のマンションで体験してもらいました。そうすることで、理解だけでなく習熟度も高まりました。そして、実際使う社員や協力会社さんが困ったりしたときのサポートも積極的に行いました。そのようなサポートを続けているうちに、現場でも高評価をもらい、協力会社さんからも良い反響が出てくるようになりました。協力会社さんからは、「大京さんがこういった自分たちでも使える使いやすいものを展開してくれると、自分たちの社内でも自動的にDX化を推進するような意識になるのでありがたい」という意見がありました。どこの企業もDXというキーワードで社内展開をしていると思いますが、経営者層と現場でのDX推進の意識の差がありなかなか難しいこともあると思うので、その差が少しでも縮まるように一緒に取り組んでいます。

とにかく根気よく、それがDX化を成功に導くポイント。現場の声を発信し建設業界全体のDX化を推進していきたい

――DX化に向けどのようなことをされていましたか?成功させるポイントはありますか?

福岡さん:
建設DX化の推進では、業務ツールの配布ができるかどうかは大きな差にはなっていると思います。Photoructionの良いところは、いつも持っているスマートフォンで、現場に駆けつけて写真を撮ればすぐにいろんな人に共有できる、その場で報告ができる、工程管理もできるというところですが、業務ツールがないとそのメリットは感じにくいです。まずは業務ツールの拡充が第一歩になると思っています。実際に、導入説明会の時に協力会社さんに業務ツールの導入状況を聞いていますが、最近はスマートフォンを業務ツールとして導入している企業も増えてきている印象です。
また、とにかくDX化は根気よく続けることです。DX化を進めてきて感じるのは、導入を推進するにあたって伴走者的な人がいないと広がっていかないと思っています。
私もPhotoructionという名前を日々の業務の際やさまざまな資料にも積極的に使うようにし、社内の意識改善を行ったり、説明会や体験会を続け、サポートを行ったりと、根気よく続けてきました。
ある程度のDX化が進んできた今、今後はそれをどう利活用していくか、業務に組み込んだ上で、次はどういうところに展開していくのかを各個人で考えていくフェーズに入ってきていると思っています。
当社の現場で、Photoructionを利用した協力会社さんは、他の現場でも使いたいと言ってくれています。Photoructionがひとつのきっかけとなって、現場利用者の声が社内に展開されDX化のきっかけになったところもあります。状況に応じた情報を利用者目線、担当者目線で発信していくのが当社の次の課題だと思っています。当社がきっかけになりDX化が進んだらうれしいです。そういった企業が増えることにより建設業界全体のDX化が進むことを願っています。

現場でも管理でもPhotoructionで作業効率アップを目指す

――Photoructionに期待することと、今後の展望についてお聞かせください。

早坂さん:
長く利用してきているので、管理するプロジェクト量も増えてきました。現場での活用は有効なものになっているので、管理側の作業の効率化も図っていきたいと思っています。
管理者権限でカスタマイズができたり、IDの追加などができたりなど、管理側の機能が充実すると良いなと思っています。現場と管理の両方の作業効率化を目指したいと思います。

塚本さん:
今もそうですが、今後、さらに社内の作業にPhotoructionは欠かせない存在になります。当社としては、各現場から情報へ常にアクセスできる状態をいかに保てるかが課題になってくると思います。管理部門では、Photoructionのみならず現場の利便性を担保することを進めていこうと思います。

福岡さん:
導入前に課題になっていた現場での拘束時間の長さは改善されました。効率的に作業ができるようになり、社内でのルール化も進みました。次のステップとして、当社内の基幹システムとの連携という部分の要望があります。PhotoructionはAPI連携ができるので、どのように社内の基幹システムと連携していくか、より利用しやすさを追求する準備をしてきたいと思います。また、Photoructionは随時機能改善や機能追加を行っているので、それをいち早く当社の業務に取り組み活用できるようにしていきたいと思います。
また、Photoructionは工事管理という部分ではかなり有効なものになっていますが、建設業界はいろんな分野があるので、建設という大きな分野の中でまだ対応していない新たな部分を開発して新機能をリリースしてほしいと思います。フォトラクションは、建設業界のリーディングカンパニーになっていただき、当社も一緒に歩んでいきたいと思っています。

――今後もDX化の加速のサポートをさせていただければと思います。お忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました!