「Photoruction Meetup」イベントレポート

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Photoruction Meetupとは?


 2023年7月7日(金)、フォトラクション初となるユーザー向けイベント『Photoruction Meetup』を開催しました。Photoructionユーザー間における活用事例の共有や、建設業界DX化に関する情報交換の場として、「建設の世界を限りなくスマートする」ためのヒントを得たり、業界内での横のつながりを構築できる場の提供を目的としております。
 当日は会場満員御礼の大盛況となりました。今回はその当日の様子のレポートをお届けします!

【目次】

・セクション1:「ただのデジタル化で終わらせない! Photoructionと目指すデジタルワークプレイス」
・セクション2:「BPO導入ゼネコンがみる、これからの建設DX」
・会場の様子
・参加者の声
・謝辞


セクション1:
「ただのデジタル化で終わらせない! Photoructionと目指すデジタルワークプレイス」


 人材不足に加え、長時間労働が深刻な問題になっている建設業界。2024年問題(働き方改革関連法に伴う残業時間の上限規制)を控えるなかで、この状況を解決すべく、IT技術を活用した『建設DX』への取り組みを行う企業が増えています。
 しかしながら、こうした『建設DX』化を推進していく中で、次のような課題に直面する企業が増加しております。

今のツールは現場課題しか解決できず、他領域も解決できるものを探している

 4領域に分類できる建設業界の課題トレンド。課題解決するためにDX推進を図る企業が多いなか、”それぞれ解決するツールはたくさんあるが、1つのツールにてオールインワンで解決できるものが中々なく、会社全体に浸透しにくい…”という共通した課題が生じています。

 Photoructionは、そんな課題を解決するようなオールインワンのクラウドサービスになっており、今回はPhotoructionを上手くご活用いただいている企業様より、現場と本社などそれぞれの視点から活用事例を紹介いただきました。

登壇企業様紹介:
・古久根建設株式会社 石井亮二 氏
・神稲建設株式会社 佐々木雅弘 氏
・株式会社ビッグルーフ 直井 優太 氏/吉成 功 氏/笠原 寿史 氏

ソフトを”自社開発”していた会社がPhotoructionを選んだ決め手

古久根建設株式会社 石井亮二 氏

 1979年、古久根建設株式会社に入社。経理、情報システム、総務、営業部門を経て、現在は監査役に従事。全盛期では、社員数600名、売上700億円の実績から、情報システム部にてシステムを自社開発していました。しかしながら、不景気によるリストラ等を経て、徐々に情報システム部は縮小していきました。その後、会社が多少安定してきても、人員の補充はなく、現在では石井氏が監査役と情報システム関連業務を兼任しています。

 上記の過去の経験を踏まえ、「システムを自社開発するのではなく、アウトソーシングすべきである」という結論に至ります。

 数あるサービスの中から、Photoructionを決めた理由のひとつにこう述べています。
「Photoructionでは、情報保護のセキュリティ観点だけでなく、クラウドであることの利点、検査機能の迅速さなど十分な機能が備わっています。クラウドであれば、現場で撮影した写真を即座に他の場所にいる社員が見ることができます。事務所に戻ってアップロードする手間も必要なく、パソコンではChromeやEdgeなどのブラウザで操作可能です。ヒト対ヒトで行っていたことが、組織で共有されるということは、非常に大きな効果だと思います。」

 現在、全社導入以降に着工した現場の写真管理はすべてPhotoruction上で行っています。石井氏は『DXとは仕事をデジタル化するのではなく、デジタルで仕事をかえること』という考えを大事にされていました。

複数アプリ利用経験のある企業のPhotoruction活用方法とは

神稲建設株式会社 佐々木雅弘 氏

 神稲建設株式会社は、積極的にDX推進ツールの導入を促進されている企業様です。建築部門においても、様々なアプリの比較検討を行い、Photoructionを選定されました。 「写真や図面管理機能に加えて、工程表作成機能といった複数機能を網羅的に利用できる」というのが導入の決め手だと佐々木氏は語ります。

 複数アプリの試用経験のある神稲建設にはPhotoruction 活用方法と、導入後の変化を発表いただきました。

活用方法

・電子小黑板を用いた工事写真管理
・図面持ち運び
・電子納品の簡素化
・検査時ダメ帳作成 是正確認 帳票作成
・上司による進捗状況の確認
(現場に来なくても工事写真を確認することで様子を確認することが可能)
・協力会社(施工図作成・管理)にアカウント配布・図面等のデータ共有

▼導入前後の変化

①⻑時間労働・工事写真管理の手間
⇨帳票作成・工事写真管理の省力化によって減少
②記録写真の撮り忘れ
⇨写真共有化している為、常に確認可能
③工事内容変更の周知方法
⇨最新図面の共有化・注釈の記入
④紙ベース資料の管理
⇨帳票、図面の電子化 過去図面もフォトラクション内保管

 今後は他部門にも展開できるようなサービスになることを展望しており、営業部門をはじめ複数部門にて導入を積極的に促進しています。

DXへのモチベーションを高める為には、ボトムアップとトップダウンのバランスが重要

株式会社ビッグルーフ 直井 優太 氏/吉成 功 氏/笠原 寿史 氏

 「就業人口は減っていくが、仕事量は変わらない。そのため、一人あたりの仕事量を増やす必要がある」と冒頭で吉成氏は語りました。個人の肉体的な労働生産性を高めるのではなく、急速に発展するテクノロジーとの共存の重要性を提起しました。ただ、DX推進ツールの導入するだけでは、生産性の向上及びDXとの共存は不可能とも語ります。
 そこで、社内のDXへのモチベーションアップを促進するために、下記のアプローチを行いました。

 当日は、現場代理人である笠原氏を中心に、ボトムアップ(現場発信)視点にて数々の具体事例を紹介。普段の業務において活用されるPhotoructionを、現場起点で創意工夫されている様子を写真や図を通して共有いただきました。黒板や帳票を自由にカスタマイズできるPhotoructionの利点を活かされている様子が発表を通して伝わりました。

 ビッグルーフは元請け会社という特徴を活かして、関連する企業へPhotoruction等のDXツールの活用を推進し、業界全体を巻き込んでDX化を促進するPJパートナーシップ業者制度を導入しています。

社内のさらなる推進はもちろん、外部とも関わりを通して、建設業全体を進化させていきたい。」と直井氏は語ります。


セクション2:
「BPO導入ゼネコンがみる、これからの建設DX」


 フォトラクションが提供するBPO機能活用ユーザーのゼネコン各社に登壇いただき、これからの建設DXのあり方や組織変革を推進するうえでのポイントをパネルディスカッション形式で議論しました。

登壇企業様紹介:
・スターツCAM株式会社 松浦 洋介 氏
・神崎建設工業株式会社 廣池 祐樹 氏

BPOを導入するまでの経緯について

・スターツCAM株式会社 松浦 洋介 氏

「配筋写真機能ツールを探していたところ、Photoructionに巡り逢いました。はじめはトライアルという形で、3現場から導入をはじめ、次第に現場数を10現場まで拡大。試用後に効果測定を行ったところ、10現場とも”これは良い”という判断に至りました。その結果、現在では、すべての現場でPhotoructionを導入しています。BPOサービスは、配筋写真機能にて、前期からトライアルを実施。事前にフォトラクション側で黒板を作成、その後、現場に納品し作業がスタートというサイクルを取り入れています。今期より(4月着工~)、このBPO機能も全社にて導入しています。」

神崎建設工業株式会社 廣池 祐樹 氏

「弊社では、これまで3つの課題を抱えていました。1つ目は、若手社員の育成体制が確立できていないこと。2つ目は、残業時間の削減。最後に、撮影写真保存方法のクラウド化です。会社全体の採用・人手不足の課題背景もあり、特に残業時間が目立っていた工事部の仕事を一部DX化し、業務の効率化と統一化を行うことで上記の課題解決を図りたいと導入検討に至りました。」

導入プロセスで苦労したこと

スターツCAM株式会社 松浦 洋介 氏

「上長や社長の承認を得るために、トライアル導入の効果検証を数値化する必要があります。実際に現場メンバーからアンケートを取ったり、従来のフローとPhotoruction導入後でどのくらい時間やコストに差異が生まれたかをデータ化することで、上長承認を推し進めました。」

神崎建設工業株式会社 廣池 祐樹 氏

「第一に、現場監督の年齢層が高いことから、システムのリプレースに対するストレスや、これまで培っていたやり方を一新しなければならないという点で、理解頂くことに苦労がありました。次に、導入前の社内すりあわせに時間を要したことです。会社独自の内容が多く、BPOが適用出来ない業務が発生するため、その場合のルール作りにかなり時間を費やしました。最後に費用の精査です。同じ地域で運用している業者が少ないことから、費用対効果を含めた導入メリットを会社のトップ層に説得するため、導入1年の費用をまとめなければならなかった点に苦労しました。」

Photoruction/BPO導入後の変化

神崎建設工業株式会社 廣池 祐樹 氏

「黒板作成業務においてBPOが上手く機能したと実感してます。現場からも”非常に使いやすい”、”業務が楽になった”という声があがりました。高い年齢層の社員における現場にてBPOを利用を進めており、システムに慣れるまでに時間を要するが次第に定着する見込みです。一方、若い社員はシステムの扱いに慣れており、覚えが早いものの、業務内容の理解に時間を要しているというのが課題としてある状況です。」

スターツCAM株式会社 松浦 洋介 氏

「実際にPhotoruction導入後のアンケートでは、”2時間以上業務が削減できている”と感じる係員が約50%、全社で約99%が”効率化を感じている”という結果が出ています。」

☆スターツCAM株式会社活用事例はこちら

ゼネコンとBPOの未来について

神崎建設工業株式会社 廣池 祐樹 氏

「まだまだ”自分のやり方”を曲げたくない社員、”新しい仕事”を今更受け入れていきたくないという社員が一定数存在するのが現実です。このような現場ごとに定着度に差が出てしまっている事実に対して、成功事例やノウハウを展開することで、全社で導入促進を図っていくことが重要だと感じます。一方で、若い社員はシステムの扱いにも慣れ、覚えるのが早いため、若い社員がいる現場は、BPOを利用せず黒板作成から入り、Photoructionを使いこなせるよう育成していきたいです。」

スターツCAM株式会社 松浦 洋介 氏

「デジタル変革時代がきている中で、”そもそもこれ自社でやるべきなのか”という意識への転換が必要だと思います。BPOサービスというのはそういった発想のヒントになるのではないかと考えており、一人ひとりがそういった姿勢をもつことで、働く人口は減っていく中でも、DX化は進めることができるんじゃないかなと考えます。」

当日の会場の様子


参加者の声


・スタッフの方々がユーザーの声を吸収したいという思いが伝わってきました。今後ともお世話になります。

・社員のみなさま皆ポジティブで活気あふれ、良い雰囲気を保たれていると感じました。新サービスへの取り組みなどの施策があり、DX化の視点が広がりました。

謝辞


 今回のMeetupでは、各企業様のPhotoructionの活用事例についてのご共有や、建設業界の企業様同士の情報交換が活発にされている様子を拝見させていただき、私たちにとっても大変貴重な時間でした。     会場に足をお運びいただいた皆さま、そしてご登壇くださった皆さま、本当にありがとうございました。
 ご参加いただいた皆さまにとって、少しでも有意義な時間であったならば幸いです。また皆さまとPhotoruction Meetupでお会いすることを楽しみにしております!

 弊社では、今後も建設DXに関連するさまざまなイベントを「建設テックの知恵袋」等でご紹介予定です。最新情報は弊社Twitterアカウントでも随時発信しておりますので、よろしければフォローをお願いいたします。

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