アプリ導入前に知っておきたい工事写真の撮り方
工事写真は工事の精度を検証し担保する資料のため、工事の全期間にわたって適宜撮影する必要があります。「いつ・どこで・誰が・何を・何のために・どのように」を明白にし、客観的な立場から誰が見ても分かりやすい写真を撮ることが大切です。前もって撮影するタイミングや場所などを把握しておき、撮影責任者を明確にしておきましょう。
撮影は被写体に平行または直角に撮影し、同一箇所で施工の各段階を撮影する場合は同一位置、同一方向、同一角度から撮影する。全景写真の場合は同一地点から撮影します。

工事写真の撮り方 国土交通省
そして、デジタル写真の管理・提出には、国土交通省が定める「デジタル写真管理情報基準」に従う必要があります。ファイル形式やファイル名、有効画素数などが定められています。
また、「写真の信憑性を考慮し、写真編集は認めない」と規定されていて、一切の編集・加工は認められていません。
電子黒板を活用した工事写真の撮り方
工事写真は証拠としての役割があるため、5W1Hを補う「黒板」が必要不可欠です。客観的に分かりやすいアングルで撮影し、必要に応じて添尺をして情報を補いましょう(※工事写真の撮り方についての詳しい記事はこちらをご参考ください)。
工事写真では当然、黒板の書き方が大切になります。黒板を正確に書くことで、工事の目的を確認し写真撮影のポイントを明確にすることができます。
現場では何種類もの黒板が必要なため、黒板は複数持っていき、各現場ごとに適切に書き直しましょう(最近は電子黒板アプリの導入によって、この業務負荷が軽減する現場も増えています。電子黒板に関する詳細は後述)。
一般的な工事用黒板で記載する内容は次の通りです。
・工事名、工種(何を)
・撮影日(いつ)
・立会者、確認者、請負業者名(誰が)
・撮影箇所、位置(どこで)
・施工状況(どのように)
・形状寸法、撮影内容(何のために)

工事写真の撮り方をより本格的に勉強したい方は、本で読むことをオススメします。工事写真の撮り方に関する書籍は複数出版されています。中でも、国土交通省が監修した「工事写真の撮り方 建築編」は、工事写真の撮り方の解説書として知られる一冊です。ぜひ読んでみてください。
「営繕工事写真撮影要領(平成24年度版)・同解説 工事写真の撮り方 建築編」
出典: 平成25年3月27日 初版
監修 国土交通省大臣官房官庁営繕部
編集 一般社団法人 公共建築協会
発行 一般財団法人 地域開発研究所
アプリ導入前に知っておきたい、工事写真台帳とは?
工事写真台帳とは、撮りためた工事写真をまとめたアルバムのことです。
工事写真台帳の見本を用意しました。
■工事写真台帳の見本

工事写真台帳の作り方とExcelフォーマット
工事写真台帳は、Excel(エクセル)やソフトを使用して作成されることが多いです。表紙・背表紙には「工事完成年度・工事名・工期・受注者名・分冊数 等」を明記します。中身は工事の設計書順、あるいは工程順で並べるのが一般的です。
工事写真、工事黒板、工事写真台帳の関係性
工事写真は、施工状況の記録と完成後の出来形確認資料という二つの役割があります。しかし、写真だけに必要な情報を全て記録するのは不可能です。写真に撮れていない情報、誰が立ち会ったのか、どのような施工だったのか、などを文字で補うのが黒板です。そして、これらの工事写真を整理し、工事写真台帳にまとめて初めて完成になります。
以上が、工事写真、工事黒板、工事写真台帳の基本的な内容です。しかし、これらの施工管理業務は、現場監督の勤務時間を長引かせる要因ともなっています。そこで近年は「工事写真アプリ」を活用する現場監督が増えています。工事写真アプリを使うことで、作業時間を削減し、建設現場の生産性向上を実現することが可能になります。
工事写真アプリの活用メリット
工事写真業務はエクセルや紙での運用もできますが、工事写真アプリを導入することで、作業効率を大幅に向上させることができます。大きく3つのメリットがあります。
- ・デジタルカメラが不要に
- ・黒板を持ち歩かなくて良い
- ・写真台帳を自動作成
工事写真アプリを使えば、デジカメはもう必要ありません。スマホかタブレットのみを持ち歩けば良いので、デジカメだけでなく、その他たくさんの荷物を運ぶ必要がなくなります。工事写真の撮影は、スマホかタブレットで完結する業務になります。
また実際の黒板を何種類も持って歩かなくても良くなります。工事写真アプリの電子小黒板機能によって、あらかじめ黒板を何枚も保存しておけるので、従来のように、現場ごとに黒板を書き換える手間が省けます。
多くの工事写真アプリにおいて、保存できる黒板の数には限りがありません。必要な分を何枚でも保存しておくことが可能です。
工事写真アプリを導入すると、撮影した写真が自動で整理され、写真台帳まで作成してくれます。

撮影した工事写真は、工事写真アプリで「日付」や「工種」などによって自動的に整理され、さらに写真台帳も自動で作成されます。そのため、作業時間が大幅に短縮されると同時に、入力間違えといった人的ミスの削減にも繋がります。
では、実際にどのような種類の工事写真アプリがあるのか?
とても便利な工事写真アプリですが、どのアプリを使えば良いか分からないといった方も多いはず。そこで、おすすめの工事写真アプリを5つ紹介します。業務内容や導入目的に適したアプリを選んでください。
蔵衛門工事黒板
5万件を超える現場に導入されてきた、導入実績1位の「蔵衛門」。どのような環境でも安心して使うことができるよう、防塵・防水ボディに耐衝撃ケースを装備した専用タブレットを使用します。
参照:PR Times:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000001288.html
▶HP https://www.kuraemon.com/
▶レビュー ★★★★★ 4.7(2,444件の評価)http://u0u1.net/YVZb
▶主な機能
- 電子小黒板作成
- 電子小黒板の豆図描画
- 電子黒板付き工事写真撮影
- 工事写真の自動整理
- 工事台帳の自動作成
- 台帳のExcel、PDF納品版作成
- クラウド上での閲覧、編集
- 写真の電子納品出力
- JACICの改竄チェック機能
- 国土交通省認可
▶料金
- 30日間無料体験
- 有料版 ¥79,800/1台~
Photoruction
「Photoruction」の魅力は工事写真だけでなく、図面や書類なども一元管理できる機能の多さ。また、機密情報の暗号化ISO27001、二段階認証などセキュリティ面も徹底されています。
▶HP https://www.photoruction.com/
▶レビュー ★★★★☆ 4.2(37件の評価)http://u0u1.net/LVie
▶主な機能
- 電子小黒板作成
- 電子小黒板の豆図描画
- 写真の自動整理
- 電子黒板付き工事写真撮影
- 工事写真の自動整理
- 工事台帳の自動作成
- TODOリスト作成
- 台帳のExcel、PDF納品版作成
- クラウド上での閲覧、編集
- 写真の電子納品出力
- JACICの改竄チェック機能
- 国土交通省認可
- オフライン対応
▶料金
- 30日間無料体験
- 有料版 ¥3,980/月/人 + ¥980/月/プロジェクト ~
電子小黒板PhotoManager
▶HP https://www.wise.co.jp/quickproject/pmm/
▶レビュー ★★★☆☆ 3.0(73件の評価)http://u0u1.net/0J43
▶主な機能
- 電子小黒板作成
- 電子小黒板の豆図描画
- 電子黒板付き工事写真撮影
- 工事写真の自動整理
- クラウド上での写真閲覧
- 工事台帳の自動作成
- 台帳のExcel、PDF納品版作成
- 写真の電子納品出力
- JACICの改竄チェック機能
- 国土交通省認可
▶料金
- 無料体験1年間
- 有料版 ¥9800
現場DEカメラ
「現場DEカメラ」の最大の魅力は電子小黒板の種類が豊富なこと。9種類の黒板から用途に合った黒板を選択できます。
▶HP http://www.genba21.com/genbadecamera/
▶レビュー ★★★☆☆ 2.6(30件の評価)http://u0u1.net/iEBv
▶主な機能
- 電子小黒板作成
- 電子小黒板カスタマイズ
- 黒板への図面貼り付け機能
- 電子小黒板の豆図描画
- 工事写真の自動整理
- 工事写真の位置情報添付
- 工事台帳の自動作成
- 台帳のExcel納品版作成
▶料金
- 基本機能は無料
- 有料版、現場DEカメラPRO(¥3,000)
工事写真
「工事写真」は、世界で初めてリリースされた工事写真アプリです。
▶HP http://www.booth-web.com/app/kojishashin/
▶レビュー ★★☆☆☆ 1.6(63件の評価)http://u0u1.net/ZC4z
▶主な機能
- 工事写真の撮影
- 写真の自動整理、自動バックアップ保存
- 電子小黒板作成
- 国土交通省認可
▶料金
- 基本機能は無料
- その他課金制
例)写真のバックアップサーバーへの保存:¥250~/1GB/30日間
工事写真アプリのまとめ
いかがだったでしょうか?
建設ICTの導入・活用は難しいという意見も多いですが、アプリ一つの導入だけで工事現場の生産性は向上することが可能です。
ぜひ積極的に工事写真アプリの導入と活用にチャレンジしてみてください。
※さらなる生産性向上を目指すなら、写真管理からBIMまで使える、建設DXを実現するための施工管理アプリ「Photoruction」の資料もご一読ください。下記バナーより資料請求いただけます。