建築業の帳票とは?作成方法や種類、管理方法なども紹介
最終更新日:2025/04/08
工事現場の基礎知識

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帳票は、建築業を含むあらゆる業界で必要とされる、業務情報を処理・記録するための書類です。
一般的な帳票は契約書や請求書、領収書などがありますが、建築業ではそれ以外にもさまざまな帳票が必要です。
帳票は作成するだけでなく、その後の管理も重要となるため、適切な管理方法も知っておく必要があります。
この記事では、建築業における帳票の種類や管理、作成方法などを紹介します。
【目次】
帳票とは

帳票とは、事業を行う際に資金の流れや日々発生する取引内容などを記録する書類全般を指します。
帳簿と伝票から一字ずつ取った言葉であり、帳簿は経営状況を把握するための書類、伝票はお金の出入りを記録する書類です。また、取引ごとに発生する証憑も帳票に含まれます。
企業や個人事業主を問わず、経営状況を把握するうえで欠かせない書類です。帳票の種類によっては法律で保管期間や方法が定められているため、事前に確認し、後から負担にならないように注意する必要があります。
帳票の種類

一般的な帳票には、帳簿と伝票、証憑があります。
まずは、帳票の基本的な種類と内容を把握しておきましょう。
帳簿
帳簿は、企業の事業活動の内容を記録し、財務状況を把握するために作成する書類です。帳簿には主要簿と補助簿があります。
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
- 現預金出納帳
- 固定資産台帳
- 経費帳
- 出納帳
- 売上帳
- 買掛帳
- 売掛帳
主要簿は企業全体の取引を体系的に記録するための帳簿、補助簿は主要簿を補完するために作成されます。
伝票
伝票は、金銭のやりとりが発生したときに作成する書類です。
- 入金伝票
- 出金伝票
- 振替伝票
- 経費精算伝票
どのような取引がいつ実施されたかを記録し、誰が見てもわかるようにまとめます。
証憑(しょうひょう)
証憑は、取引が実際に成立したことを証明するための書類やデータです。
- 見積書
- 請求書
- 納品書
- 領収書
- 支払明細書
- 発注書
- 検収書
- 注文請書
帳簿や伝票は取引後に作成されるのに対し、証憑はその都度作成されるという違いがあります。
建設業の帳票
建設業では、工事に関する書類が多くあり、上記に紹介した帳票以外にも別の帳票が必要になります。
以下の表では、建設業で必要となる具体的な帳票の一部を紹介します。
建設業特有の帳票 | 概要 |
---|---|
工事台帳 | 工事現場ごとの取引内容や原価を集計 |
工程表 | 工事の工程にかかる日数や進捗状況を記録 |
工事請負契約書 | 工事内容や条件を明記した契約書 |
工事完了報告書 | 完了した工事内容や完了日を報告 |
工事台帳や工程表の概要や作成方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
⇒工事台帳とは?作成目的と書き方を解説。エクセルの見本、おすすめソフトも紹介
⇒【建設業向け】工程表の作り方!手書きやデジタルツールのメリット・デメリットを解説
帳票作成の方法と手順

帳票は、紙や表計算ソフト、帳票作成ツールを用いる方法があります。
ここでは、帳票を作成する方法や流れを紹介します。
必要なデータの収集と整理
まずは、帳票を作成する目的と誰が利用するかを明確にします。
次に作成する帳票の種類に応じ、全体像を考えたうえで必要なデータの収集と整理をしましょう。
具体的には、帳票の発行日や取引先の名前、住所、金額などのデータを収集します。帳票の種類によっては、数式や関数などを使って合計値や平均値、割合など指標の生成も必要です。
また、データを用いる場合は、グラフやチャート、表などを使ってビジュアル化します。
帳票のデザインとテンプレートの作成
帳票に用いる情報とデータが整理できたら、帳票のデザインとテンプレートの作成です。
情報のまとまりを意識してレイアウトを行うことがポイントで、関連情報を近くに配置すると情報の関連性がわかりやすくなります。
太字やカラーなどの装飾は伝えるべき情報を伝えたいときに便利ですが、装飾が多すぎると視認性が低下するため注意しましょう。
また、帳票を確認する方法は、紙、PDF、ツール上などがあり、出力形式によっては、データが画面に収まらなかったり、思い通りに印刷されなかったりすることもあります。
そのため、テンプレートを作成する際には、帳票の出力形式にも注意しながらデザインを調整することも大切です。
必要なデータを組み込む
帳票のフォーマットを作成したら、次は必要なデータを組み込んでいきます。
データを組み込む方法は手動入力と自動入力がありますが、手動入力はミスが起こりやすいため注意しましょう。自動入力にする場合は、表計算ソフトの関数を用いたり、帳票ツールを用いたりなどが必要となります。
作成した帳票の管理方法と保存期間

帳票は作成して終わりではなく、保存期間が設けられており、適切な管理が必要となります。
ここでは、帳票の管理方法や保存期間について解説します。
帳票の保存期間
帳票の保存期間は、法人税法と会社法で異なります。
法人税法上における保存期間は、個人が5年で法人が7年で、欠損金が発生した事業年度は9年または10年の保存が必要です。会社法における保存期間は、一律10年と定められています。
法人税法または会社税法のどちらに該当するかは、帳票の種類によって異なります。そのため、帳票を管理する際には、それぞれの保存期間を確認しておきましょう。
紙媒体での管理
帳票は、手書きやパソコンで作成した書類をプリントしてファイリングして管理する方法があります。
- 実物として手元に残る
- ITスキルが不要
- 保管スペースが必要になる
- 必要な帳票を探す際に手間や時間がかかる
- 紙代やインク代などのコストがかかる
- 火災や水害などのリスクがある
保管する際には、後から探しやすいようにラベルをつけて整理したり、専用スペースを用意して湿気や汚損を防ぐなどの対策が必要です。
また、日々の取引やお金の出し入れを行う会社の帳票は膨大な数になり、帳票を長期保管するためのスペースも必要となります。
電子媒体での管理
帳票の電子媒体での管理は、紙媒体による保存の代わりに、デジタルデータとして帳票を作成・保存する方法です。電子帳簿保存法の改正によって電子化が推進されています。
自社システムや表計算ソフトを用いて作成する方法や、紙データを電子媒体に変換して管理する方法などがあります。
- 業務が効率化される
- 紙代やインク代がかからずコスト削減になる
- キーワード検索ですぐに必要な帳票を探せる
- ペーパーレスで環境に優しい
- 強固なセキュリティ対策が必要になる
- ITスキルが必要になる
- 自社システムの場合は属人化しやすい
電子媒体での保存は、業務効率化やコスト削減などさまざまなメリットがある一方、セキュリティ対策とITスキルが必要となります。自社のシステムで帳票作成や保存をする場合は属人化しやすい点にも注意が必要です。
一方で、近年はクラウドシステムで帳票作成や管理ができるサービスも増えています。
クラウド型システムは直感的な操作が可能で、特別なITスキルがなくても利用でき、属人化を防ぐこともできます。また、サービス提供側でセキュリティ対策を行うため、利用者は自社で複雑なセキュリティ対策を行う必要もありません。
帳票作成は施工管理クラウドで効率化

帳票作成・保存・管理などを効率化したい場合、操作がシンプルでセキュリティ対策もしっかりしている施工管理クラウドサービスがおすすめです。
『Photoruction』は、面倒な書類作成もワンクリックで簡単に作成でき、作成した後はクラウド上で一元管理できるサービスです。テンプレートや独自帳票もあり、データを入れるだけで簡単に作成可能です。
ここでは、『Photoruction』を使った帳票作成や管理方法について解説します。
クラウド上で帳票を簡単に作成
『Photoruction』は、案件に関する帳票をはじめ、日報や安全書類などの書類が簡単に作成できます。

システムにはスマホやタブレット端末からもアクセスできるため、現場で書類を作成することも可能です。現場で作業を完結できるため、事務所に戻る必要がなく、時間短縮に繋がります。
作成した書類はその場でExcelやPDFに出力し、他のメンバーと即時共有できます。
独自帳票の電子化
『Photoruction』には、独自帳票(フィールドレポート)機能があります。

お客様独自の形式やレイアウトを持つ帳票を現場で簡単に電子化でき、さらに協力会社とも最新情報を簡単に共有できます。また、電子データとして保存することにより、紙書類の印刷や保管スペースも不要です。
建築業の帳票テンプレートが充実
『Photoruction』は、建築業の帳票テンプレートも充実しています。

作業指示書、安全指示書など、建築現場で利用される帳票のテンプレートもあり、一から作成する必要はありません。
テンプレートの項目は簡単に変更できるため、テンプレートをベースに業務に適した帳票テンプレートを作ることもできます。
作成した帳票はクラウドで一元管理できる
『Photoruction』で作成した帳票は、自動的にクラウドに保存され、一元管理できます。
これにより、現場と事務所間でリアルタイムな情報共有が可能となり、データの紛失や破損リスクが軽減できます。
どこからでもデータにアクセスできるため、現場から離れていても状況把握や指示出しなどがスムーズに行えることもメリットです。また、電子帳簿保存法の保管要件にも準拠しており、建設業で必要な書類を効率的に管理・保管できます。
連携できる機能やサポートも充実
『Photoruction』で帳票を作成する場合は、以下の機能と連携することができます。
連携できる機能 | 内容・特徴 |
---|---|
写真 | ・ストレージ無制限でデータ整理の手間がない ・写真の情報をもとに自動整理できる ・クラウドに自動的にアップロードできる |
図面 | ・いつでも簡単に最新の図面にアクセス ・図面に矢印やメモ、写真などが追加できる ・バージョン管理ができる |
電子黒板 | ・数百種類を超えるフォーマットがある ・黒板に入れた内容は写真の属性情報として使える ・文字の大きさや色も柔軟に変更できる |
検査(配筋・仕上げ) | ・進捗ステータスを横断的に確認できる ・検査シートを簡単に作成できる ・検査に使用する書類を自動出力できる |
サポート | ・導入支援 ・電話サポート ・操作代行 ・運用レポート ・セキュリティサポート ・ウェビナー |
これらの機能やサポートを活用することにより、より便利に帳票作成や管理ができるようになります。また、写真や黒板の属性情報は自動的に帳票に反映されるため、手入力作業が不要となり業務効率化を実現します。
まとめ
建築業で必要となる帳票にはさまざまな種類があり、書類ごとに適切な管理や保管が必要です。
帳票の作成や保管、管理はクラウドシステムの利用がおすすめで、業務効率化やコスト削減にもつながります。また、クラウドシステムであれば難しいITの知識やセキュリティ対策も不要で、標準化しやすい点もメリットです。
株式会社フォトラクションが提供する『Photoruction』は、建築業の帳票作成や保管、管理をスムーズに行う施工管理クラウドです。
一般的な帳票はもちろん、建設業で使用される特殊な帳票のテンプレートも用意し、柔軟に対応しています。
現場への操作説明会や電話対応など、サポート体制も充実していますので、安心してご利用いただけます。
▶帳票作成が劇的に効率化する『Photoruction 』のサービス概要はこちらから
Photoructionのフィールドレポート機能のデモ動画を公開

『Photoruction』では、独自帳票作成機能に含まれるフィールドレポート機能のデモ動画を無料で公開しています。
帳票作成の効率化に課題をもっている企業さま、Photoructionの機能についてもっと知りたい方、ぜひこの機会にご覧ください。
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