RICOH Value Presentation 2021 イベントレポート

建設テックの知恵袋

建設テックの知恵袋 編集室

業界の生産性向上に貢献する。そんな情報を1つでも多く皆様に届けられるよう頑張ります!

2021年7月12日〜8月4日、リコージャパン株式会社主催「RICOH Value Presentation 2021」が開催されました。「人にやさしいデジタルを全国の仕事場に」を開催テーマに掲げ、今求められている新たな働き方への変革や、お客様の成功の実現へ向けた更なるデジタルサービス、業種ごとの業務課題解決事例や、デジタルツールを活用した新たな働き方、業務プロセス改善などが紹介され、当社代表取締役CEO 中島貴春が、建設業の工事/施工管理部門に登壇いたしました。

中島は、ゼネコンで現場監督としてさまざまな現場を経験し、どのようなITを活用すると工事現場の利益率が上がるか、どういったテクノロジーを活用すれば生産性が上がるかなどITツールの企画開発を経験し、建設業界をもっと便利にしたいという思いから、コンコアーズ株式会社(現:株式会社フォトラクション)を設立、建設・土木の生産支援クラウド「Photoruction(フォトラクション)」の提供を開始しました。テクノロジーを活用して建設現場の生産性を向上させる様々なサービスを提供し、現在多くの企業を支援しています。「建設の世界を限りなくスマートにする」というミッションの元、建設DXについてもいろいろな情報発信をしております。

今回は、2024年の労働時間上限規制に向けた事務作業の省力化にご関心がある方向けに、「建設現場から始まる建設DX―現場管理業務におけるITを活用した時間削減術のご紹介―」をお話しさせていただきましたので、内容を一部抜粋してご紹介いたします。

Agenda

  • 建設を取り巻く状況
  • 増え続ける建設テック
  • 建設現場の3つのムダと削減術
  • 建設DXとは何か

会社紹介

株式会社フォトラクションとは

掲げているミッションは「建設の世界を限りなくスマートにする」

まだまだ「3K」のイメージが払拭できていない業界ですが、建設会社の皆様がテクノロジーを用いてかっこよくスマートに働いてる、業界をそんなイメージに変えていきたい思っている会社です。

具体的なサービスと内容としては、1つは、SaaS、いわゆるインターネットを用いた業務の効率化を図るアプリケーションの提供、もう1つは、実際そのクラウド経由で上がってきたデータを使って、AIやオペレーターを提供し、建設会社様のバックオフィスとして業務を自動化するところをご支援させていただいています。

建設を取り巻く状況

現在、建設業は様々な課題を抱えています。

建設投資額は、右肩上がりに推移するのに対し、労働者は今後10年で100万人足するといわれています。また、近年建物のデザインの高度化など建物に求めれる水準の変化で工事の種類も多種多様になってきています。さらに2024年に建設業も月45時間労働時間の規制かかるため、今より仕事の量は増えていくものの人も働く時間も減っていくという危機的な状況に陥っています。

建設業の特徴として一品生産かつ労働集約型の産業になっているため、なかなか長年生産性が上がっていかないという現状があり、こういった状況に対して生産性を向上するということが、国内の社会インフラの整備や労働環境を守るためにも必須になってきています。

2024年に月45時間の残業規制がかかってくるので、とにかく生産性を上げていかないと、2024年以降なかなか現在の品質を担保できないというような課題があります。

こうした現状の中で、今建設業のIT投資は加速しています。2017年の調査では、iPhoneやiPad といったスマートデバイスの導入率も96%となっており、今後さらに生産性向上のためのIT投資が進みDXの機運が高まってくることが予想されています。

増え続ける建設テック

このような状況の中、国内外を問わず様々なテクノロジーを提供する企業も増えてきています。

特に生産工程に関連するソリューションが爆発的に拡大してきています。センサーを使ったIoT技術や実際の現場の状況を記録するドローン、三次元系でいろいろ施工管理を実施するBIM/CIMなど、様々なテクノロジーが増えています。

米国の建設テック企業のPROCOREは、時価総額が1兆円を超える規模での上場をしました。海外では爆発的に成長している分野です。今後、建設業を支援するテクノロジーやプラットフォームが国内でももっと増えてくるという風に予想されています。

建設現場の3つのムダと削減術

多くのテクノロジーが提供され、かつ生産性を上げていかないといけない状況ですが、一気にIT化は難しいと思っています。では、実際建設現場で具体的にどういった非効率な部分があるのか、どういったところにテクノロジーを使っていけばいいのか、記録と比較という業務に着目して時間削減術をいくつかご紹介します。

移動のムダ

事務所と現場を移動するため非効率であるのと手戻りの種となっていると思っています。

現場の事務所と建設現場というこの二つの仕事のフィールドを往復し、建物の建物管理をしていると思うのですが、その移動に多くのコストがかかっています。

それを削減するためには、最近急速に導入が進んでいるスマートデバイス、いわゆるタブレット端末の導入です。次に、クラウドストレージサービスの導入。スマートデバイスと合わせで導入することにより、ファイルの持ち運びなどが不要になり移動のコストを削減することができます。そして、汎用的に活用できるソフトウェアの積極活用。建設業特化ではない無料で汎用的に使えるサービスも世の中にたくさんあるので、そういうものを積極的に活用していくことで、効率化ができ大きなコスト削減ができると思っています。

記録のムダ

工事現場の状況を適切に記録しなければならない中で、その記録する情報は膨大にあります。

記録は必要なのですが、デジカメや現場特有の工事黒板、図面など、様々な物を持ち運ばないといけない、多くの道具を使って記録をするところもまだまだ非効率なところかなと考えてます。

スマートデバイスによる現場の記録で持ち歩くものを集約、例えば、電子黒板を用いた写真管理アプリを導入することにより、毎日工事現場で黒板に手書きで転記する手間を省きます。手書きの黒板や汚れなどで写真を撮っても見にくいなど、アナログの弊害もあると思うので、電子化することで記録業務に関しては大幅に効率化できるのではないかと思っています。

そして、従来はパソコンにソフトウェアをインストールして導入することが多かったと思いますが、パソコンにインストールする必要がなくインターネット経由で、使えるクラウド型のサービス、オールインワンの施工管理SaaSの導入です。積極的に導入することで効率化することもできますし、またクラウド型のサービスの一つの特徴は、溜まったデータを、他にも活用できるというところです。現場での記録作業を効率化しつつ、その記録したデータを効率よく他に使うというとこでも非常に有効活用できるのではないかと思っています。

比較のムダ

これが一番見えにくいコストかなと思いますが、実際、現場で記録した情報を設計図と比較して正しくできてるかというところを確認していかなければいけません。膨大な設計図の中から必要なデータを抽出したり、現場で記録した情報から必要なものだけを抜き出さないといけない、決められた内容でデータを整理しないといけない、これらのように工事現場でなくとは実行可能な事務作業みたいのは結構数多くあると思っています。

こういったところもITを使ってフル活用することで時間を削減していくことはができると考えています。

先ほど紹介したオールインワン施工管理SaaSを導入すれば、設計図から何か情報を引き出したり、記録したデータを使って書類を作ったり、様々な機能を活用していくことで、事務作業を減らせると考えています。

また、事務作業を自社のコア業務ノンコア業務の線引きをし、ノンコア業務をAIに任せたり、まだまだ柔軟性が必要な事務作業においては外部にアウトソーシングしたりなど、AI-BPOを活用した業務の自動化を実現すれば、一気削減効率化というかゼロにしていくという選択肢も今後出てくるではないかと考えています。

建設DXとは何か

デジタルトランスフォーメーション(DX)に向かうためには3つのステップがあると言われていて、それについて説明したいと思います。まさに先ほど説明した3つのムダをITを使って削減していくステップが、このDXの実現へのステップそのものになります。

一つ目は、デジタイゼーションです。アナログ、物理データのデジタルデータ化です。アナログな部分、黒板や現場で使っているノートなど、どう電子化していくかが大切になります。

そして、二つ目はデジタライゼーションです。個別の業務製造のプロセスのデジタル化です。

集まったデータから建物を建てるオペレーションの中で、どの部分にAIやBPO アウトソーシングが使えるかなど、力を入れるコア業務の可視化をしていきます。

最後に、デジタルトランスフォーメーション、価値創出に関わる事業やビジネスモデルの変革です。

デジタル化を進めていくと、データ、ナレッジ、オペレーション、AI、様々な要素技術が溜まってきます。今まで実施し溜まってきたデータナレッジを使って、周辺領域と組み合わせていくことでデジタルトランスフォーメーションが起きてくると考えています。

なかなか一気にDX 化を進めるのは現実的には難しいところもありますので、まず全く着手できてない場合は、どういったデータを電子化するのか、デジタイゼーションというシンプルなところから考えていくことがDXの実現に向けて必要なことだと思います。

建設・土木の生産支援クラウド Photoruction

最後に、当社ではDXの実現に向かう3つのステップを全て1つのプラットフォームとして提供できるサービス「建設・土木の生産支援クラウドPhotoruction」を展開させていただいています。まさに最初のデジタイゼーションというところから、溜めたデータをどのようにデータ化していくかというところまで、1つのプラットフォームで提供しています。

そしてそのサービスに加え、AIとオペレーターを組合わせたバックオフィスチーム、AI-BPOを提供しています。

現在、さまざまな多くのプロジェクトや商業施設をはじめ大規な建築というところでもご活用いただいていますので、皆様のデジタルトランスフォーメーションの実現に貢献していけたらと思います。

ご興味ある方は是非お問い合わせください。

記事やPhotoructionに対するお問い合わせはこちら