【建設業向け】施工計画書とは?作成の流れと建設DXを促進する方法

最終更新日:2025/03/04

建設テックの知恵袋 編集室

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サムネイル_施工計画書

建設工事を安全かつ効率的に実施するために作成される施工計画書は、建設プロジェクトの成功に影響を与える重要な書類です。

しかし、施工計画書作成の属人化や管理方法の煩雑化によってノンコア業務が増大し、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、建設業における施工計画書に記載する項目や作成方法、建設DXを促進する秘訣を詳しく解説します。

【目次】

  1. 施工計画書とは
  2. 施工計画書の提出義務
  3. 施工計画書の主な記載項目
  4. 施工計画書の作成までの流れ
    1. 工事計画の全体構想を明確にする
    2. 現場の詳細調査を実施する
    3. 発注者との事前協議を徹底する
    4. 施工計画書を作成する
  5. 施工計画書の作成に関する実態調査
    1. 49.2%が各自で施工計画書を作成している
    2. 78.2%が施工管理の標準化を求めている
  6. 建設DXを促進する施工管理ツール『Photoruction』
  7. まとめ

施工計画書とは

施工計画書1

施工計画書とは、建設工事を円滑かつ安全に進めるために、施工の目的や工程、リソース、安全管理などを定めた書類です。

工事全体における進捗管理やリスク管理を行う資料であり、元請け業者が責任を持って発注者に提出します。

正確に作成された施工計画書は、工事の品質向上や安全性の確保、効率的な進行に大きく貢献します。

しかし、施工計画書の作成・管理が属人化していたり、案件によって異なるフォーマットで管理されていたりして、悩まされている企業もいます。

そのような課題の解決策として、施工管理をクラウド上で手軽に行えるデジタルツールや、施工管理を専門としたアウトソーシングサービスの活用がおすすめです。

施工計画書の提出義務

施工計画書2

建設業法において、建設工事の請負代金が500万円(税込)を超えた場合、施工計画書を作成することが義務付けられています。

この義務は、建設一式工事に限らず、土木、電気、管、塗装という分野でも共通です。

ただし、発注者が施工計画書の提出を求めている場合、請負代金が500万円(税込)以下でも提出しなければなりません。

また、提出するタイミングは工事契約締結後で、工事に着手する3週間前までが望ましいです。

 発注者に早めに内容を確認してもらうことで、修正対応にも柔軟に応えられるようになります。

施工計画書の主な記載項目

施工計画書3

施工計画書は、工事の進行管理や安全確保のために、工事の概要や工程表などを具体的に記載します。

以下は、一般的な建設工事における施工計画書の記載事項の例です。

項目名独自の記載内容
工事概要工事の目的や概要、現場の特性、工事開始日・終了日、契約金額、発注者情報を記載。
計画工程表工事全体の流れを示す工程表。各作業の実施時期、優先度、作業完了予定日を明確化。
現場組織表現場の責任者や監督者、作業班リーダー、役割分担、各チームの連絡体制を示す。
指定機械特に重要な機械や設備の詳細(機種名、数量、設置場所、仕様)を記載。
主要機械・船舶作業に必要な全機械・設備(使用期間、維持管理方法、使用条件など)を記載。
主要資材使用する主要資材の一覧、納入スケジュール、品質管理計画、保管方法を明記。
施工方法現場特有の施工手順、天候条件や周辺環境を考慮した作業手法、リスク管理策を含めて説明。
施工管理計画品質、コスト、工程の管理方針。重要工程の管理ポイントや検査計画などを含む。
安全管理作業員の安全確保、作業手順ごとのリスク管理、現場パトロールや安全教育計画を記載。
緊急時対応災害や事故発生時の初動対応フロー、関係機関との連携体制、非常用連絡先、資材確保プランを記載。
交通管理工事現場への資材搬入計画、交通整理員の配置、近隣住民への影響を最小化するためのルールを記載。
環境対策騒音・粉塵対策、廃棄物処理の基準、工事中の自然環境保全措置の具体例を記載。
現場環境整備作業現場や休憩施設の衛生管理計画、作業環境の改善策(照明・換気設備の管理など)を記載。
副産物処理工事で発生する廃棄物のリサイクル計画、廃棄物運搬業者の管理、再生資源の再利用方針を記載。

これらの項目を適切に記載することで、工事関係者間の情報共有が円滑になり、トラブルや工程遅延の防止に役立ちます。

施工計画書の作成までの流れ

施工計画書4

施工計画書を正確に作成し、工事をスムーズに進めるためには、事前準備や現場確認が欠かせません。

ここでは、成功につなげるための4つのステップを詳しく解説します。

1. 工事計画の全体構想を明確にする

まずは工事の全体像を具体的にイメージします。

工事の目的をはじめ、規模、期間、作業手順、必要な人員や資材、法令に基づく手続きなどを網羅的に把握しておくことが大事です。

また、この時点で安全管理計画書や品質管理計画書などの各種書類も用意しておきます。

予算や工程に関しては、計画通りに進まなかった場合のリスクを想定し、余裕を持たせることが成功の鍵です。

2. 現場の詳細調査を実施する

プロジェクトのスムーズな進行には、現場の細かい情報が必要になります。

例えば、現場の地形や周辺施設、搬入路、設備状況などを一つひとつ調査し、写真や測量データとして記録します。

また、近隣住民に影響を与える騒音や振動、通行規制が必要な道路の状況なども重要な要素です。

実際の作業をシミュレーションしながら調査を行うと、潜在的なリスクを事前に発見でき、工事進行中のトラブルを回避することが可能になります。

3. 発注者との事前協議を徹底する

現場の細かい情報を確認した後は、発注者と工事内容について協議を行います。

具体的には、施工計画書の主要項目となる工期、施工方法、使用資材、管理体制などをすり合わせていきます。

ここで発注者との認識のズレを解消しておくことが、施工計画書提出後の修正対応が少なくなり、工事がスムーズに進行するポイントです。

発注者との情報共有はこの後のフェーズでも続くため、定期的な報告方法についても話し合うと良いでしょう。

4. 施工計画書を作成する

施工計画書の作成は、基本的に自社のフォーマットや発注者から指定されたテンプレートで作成します。

テンプレートには記載すべき項目がすでに用意されているため、必要な情報を漏らさず書くことが可能です。

ただし、現場や工事内容によっては、テンプレートの項目にない事項を追記する必要もあります。

そのようなケースに備えて、いつでも記載項目を編集できるツールを導入し、施工計画書の作成・管理方法を社内で統一することが望ましいです。

異なるファイル形式の施工計画書を一元管理でき、いつでもリアルタイムに更新情報が反映されるクラウド型ツールの導入がおすすめです。

施工計画書の作成に関する実態調査

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株式会社フォトラクションは、建設業の施工管理担当者207名を対象に、『建設DXの取り組みに関する実態調査』を実施しました。

その調査結果から明らかになった施工計画書の作成方法や、業務標準化の進捗をわかりやすく紹介します。

49.2%が各自で施工計画書を作成している

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本調査における『施工計画書の作成に関する設問』では、現場ごとに担当者が個別に作成するケース(レベル1)が49.2%と最も多いことがわかりました。

一方で、全社で標準化されたフォーマットを使用して作成するケース(レベル4)は12.6%。全社的に作業を標準化し、さらにアウトソースも活用している企業(レベル5)はわずか6.8%でした。

この結果から、施工計画書の作成に関して、デジタル化の進捗が遅れている現状が見て取れます。

78.2%が施工管理の標準化を求めている

株式会社フォトラクションによる同調査で、「生産性向上のために施工管理業務の標準化が必要だ」という声が78.2%もあがっていることがわかりました。

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しかし、組織全体で施工管理を標準化したいという声が強いにも関わらず、実際にできているという回答はわずか32.9%でした。

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そもそも、「施工管理における業務が標準化されているかわからない」という回答もあります。

建設業界では、2024年から時間外労働の上限規制が適用となり、短時間で効率的な業務を行い、生産性を向上させることが大きな課題となっています。

建設DXを促進する施工管理ツール『Photoruction』

Photoruction_Service UI

建設DXは、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションという3つのフェーズで実現するものです。

  • デジタイゼーション:アナログな特定の作業をデジタル化する
  • デジタライゼーション:デジタルツールを活用し、組織の業務プロセスを標準化する
  • デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術で組織やビジネスモデルを変革し、新たな価値を生み出す

真の建設DXを達成するためには、既存の非効率的な施工管理を見直し、適切な手段で改善する必要性があります。

そのような課題解決を支援するのが、建設生産に関するあらゆる業務を効率化するクラウドプラットフォーム『Photoruction(フォトラクション)』の建設BPOです。

ここでは、『Photoruction』の建設BPOで施工管理の標準化と建設DXを促進する方法を解説します。

施工計画書の作成

Photoruction』の建設BPOは、建設工事に関する多岐にわたる業務プロセスのメニューから、特定のノンコア業務をアウトソースできるサービスです。

そのメニューにある「施工計画書の作成」は、図面や全体工程表などの必要書類を『Photoruction』にアップロードするだけで、自動的に施工計画書が完成する仕組みです。

施工計画書9

書類をアップロードした後、情報が不足している場合には通知が行われるため、編集も簡単にできます。

施工計画書のデータベースを構築

「施工計画書の作成」で入力した情報は、『Photoruction』のデータベース上にどんどん蓄積されていきます。

企業ごとに施工計画書のナレッジが溜まるため、他の現場や類似する工事における作成業務が効率化します。

施工計画書の作成を簡単に標準化できるため、施工管理の経験が少ない若手人材の教育にも活用しやすいです。

ノンコア業務からの解放で建設DXを促進

Photoruction』の建設BPOは、ノンコア業務のアウトソーシングで業務プロセスの自動化とデータ活用を促進し、工事現場の負担を大幅に軽減します。

これは、建設DXにおけるデジタライゼーションの達成に大きく寄与するものです。

施工計画書の作成やデータ入力などの業務を外部委託することで、現場担当者は本来のコア業務に集中でき、生産性が向上します

また、クラウド上に業務データが蓄積されることで、企業ごとの施工プロセスを標準化し、ノウハウをデジタル資産として活用することも可能です。

さらに、『Photoruction』なら自社向けのカスタマイズも容易であり、建設DX戦略における柔軟性も確保できます。

まとめ

建設業における施工計画書は、工事の進捗管理や安全確保の要となる重要な書類です。

施工計画書の作成・管理業務が属人化していたり、現場ごとに異なるフォーマットで管理が煩雑化していたりする企業では、早急な標準化が求められています。

Photoruction』の建設BPOは、デジタルツールだけではカバーできない建設業特有の業務プロセスを標準化し、建設DXのデジタライゼーションを促進します。

必要書類をアップロードするだけで施工計画書を自動的に作成し、さらにデータベースにナレッジを蓄積し、全社的な共有を支援します。

施工管理のノンコア業務を解放し、建設DXを加速させたい企業様は、ぜひこの機会に『Photoruction』を導入してみてはいかがでしょうか。

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