2020-05-10  工事現場の基礎知識

公共工事の電子納品に対応可能な「写真管理アプリ」5選

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  3. 現場監督さんの大きな味方!大変な電子納品が簡単に!  電子納品対応アプリ徹底比較!

「電子納品」は、公共工事を行う建設業に携わる皆様には切っても切り離せない言葉ではないでしょうか。

電子納品を行なう際には国土交通省が定める「電子納品要領」という基準があり、その要領に準じた正しい方法で作成・提出しなければなりません。

この記事では、現場監督に必須のICT知識「電子納品」について分かりやすく解説していきます。そして、電子納品に対応した写真管理アプリを5つ紹介いたします。

電子納品 フォトラクション

公共工事の電子納品とは?

電子納品とは、簡単に言うと業務、工事において写真、図面、書類等の完成書類を電子化し(電子成果品という)提出する事です。

従来は紙ベースでの完成書類の提出を行っていました。業務内容、工事規模によって写真枚数が数千枚、図面が数百枚~数千枚、書類も千枚以上になるとそれらから必要書類を探すにも時間がかかり、保管する場所にも苦労していました。
そこで、電子納品とすることで業務中、施工中の管理業務を容易にし、なおかつ完成書類の保管管理も容易にするため、電子納品が推奨されました。
そして、2001年度から業務、2004年度から工事全てを電子納品化対象と国土交通省は定めています。
電子納品で提出するものとして、3つに大きく分けることが可能です。
内容としては図面、写真、書類に分けられます。この3つについて、この後詳しく解説していきます。

電子納品の構成

電子成果品を提出する際は、電子納品要領・基準に沿って提出しなければいけません。
ここでは、業務と工事に分けてフォルダ構成を説明していきます。
※一般土木、電気、機械とありますが、今回は一般土木についての記載をします。
電子納品の構成 フォトラクション

出典 :電子納品運用ガイドライン(案) 【土木工事編】 . 平成 17 年 8 月.国土交通省 大臣官房技術調査課 http://www.mlit.go.jp/tec/it/cals/050831/img/03.pdf

〇業務(一般土木)
電子媒体ルート直下に
「XMLファイル」「DTDファイル」「REPORT」「REGISTER」「DRAWING」    「PHOTO」「SURVEY」「BORING」「ICON」
これらのファイル、フォルダを作成します。

〇工事(一般土木)
電子媒体ルート直下に
「XMLファイル」「DTDファイル」「DRAWINGF」「REGISTER」「BORING」    「PLAN」「MEET」「PHOTO」「OTHRS」「ICON」
これらのファイル、フォルダを作成します。

各フォルダについて
「DRAWING、DRAWINGF」=「CAD製図基準」「CAD基準」に従い格納する。
「REPORT」=報告書ファイルおよび報告書管理ファイルを格納する。
「PHOTO」=「デジタル写真管理情報基準」に従い格納する。
「SURVEY」=「測量成果電子納品要領」に従い格納する。
「BORING」=「地質・土質調査成果電子納品要領(案)」に従い格納する。
「PLAN」=施工管理計画書ファイルを格納する。
「MEET」=打合せ簿管理ファイルを格納する。
「OTHERS」=その他管理ファイルを格納する。
「ICON」=i-Construction に係る電子データファイルを関連する要領等に従い格納する。
※業務内容によっては使用しないフォルダも存在します。中身に入れるものがないフォルダは作成する必要はありません。

このようにフォルダ構成にはしっかりとしたルールが決まっています。
今回は一般土木を記載しましたが、電気、機械ですとフォルダ名が変わったりしますので
しっかりと要領・基準を確認し作成することが大切です。

電子納品関連の要領・基準

前項の電子納品の構成にも記載しましたが、電子納品に関連する要領・基準というものが数多くあります。
これらは、一般土木、電気、機械とそれぞれ分かれており、それぞれ前項に記載したフォルダ構成が変わるのはもちろんのこと、細かい部分も変わります。
したがって、電子納品を行う際にはしっかりと要領・基準を満たすものを作成することが大切です。
また、要領・基準は不定期で改定が行われています。必ず、最新版の物を確認してください。

公共工事の電子納品の流れとは?

電子納品の流れとして、業務と工事の場合について説明していきます。

電子納品の流れ フォトラクション

出典 :電子納品運用ガイドライン(案) 【土木工事編】 . 平成 17 年 8 月.国土交通省 大臣官房技術調査課 http://www.mlit.go.jp/tec/it/cals/050831/img/03.pdf

業務の場合

まず発注者と受注者の事前協議から行います。その際に、業務中の情報交換方法や電子納品する対象種類の格納の要否から格納場所を確定します。
業務中は日常の成果品また都度協議を行った資料をしっかり管理し、竣工時に受注者は電子成果品として作成します。
作成も事前協議で定めた事項と要領・基準に従い、その後、電子媒体、電子媒体納品書をと共に電子納品します。

工事の場合

工事の場合も原則同じです。ただ、工事帳票等が追加されますので、そちらもしっかりと要領・基準に沿って作成をし、電子納品を行ってください。
工事帳票とはフォルダ構成であげた「PLAN(施工計画書データ)」「MEET(打合せ簿データ)」になります。

電子納品で提出するものとは?

本項では、図面、写真、書類に分けて提出するものを説明していきます。

図面

業務なら「CAD製図基準」土木工事なら「CAD基準」に従い作成していきます。両者共通のものとして「CADガイドライン」も参照しなければなりません。
上記の基準、ガイドラインに基づいて作成された図面成果、完成図を「DRAWING」、「DRAWINGF」フォルダ内に図面管理ファイル(XML、DTD)と格納し提出します。

写真

こちらは「写真管理情報基準(案)」に基づいて工事写真を撮影し「デジタル写真管理基準」に基づき写真ファイル形成、画素数設定を行います。
これらの基準に従った工事写真(完成写真、施工状況写真、出来形および品質管理写真等)を「PHOTO」フォルダ内に「PIC」フォルダを作成し、その中に格納します。
平面図や構造図等の参考図ファイルを格納する際は「PHOTO」フォルダ内に「DRA」フォルダを作成しその中に格納してください。そしてXML、DTDファイルを「PHOTO」フォルダ直下に格納し提出します。

書類

書類ですが、業務では「REPORT(報告書)」フォルダ内に報告書ファイルを格納します。また、複数の報告書オリジナルファイルから成り立つ場合は構成が分かるように連番を付与しファイルを区別し、「REPORT」フォルダ内に「ORG」フォルダを作成してその中に格納します。これらは「電子納品等運用ガイドライン」に基づいて格納をします。
工事では、「PLAN(施工計画書)」、「MEET(打合せ簿)」になります。「PLAN」では、事前協議で定めた情報共有システムから出力します。「電子納品要領(工事)」に従い、「PLAN」フォルダ内の「ORG」フォルダに格納します。
「MEET」も情報共有システムから工事帳票(工事履行報告書、段階確認書、確認・立会願等)を出力し格納します。これらも「MEET」内の「ORG」フォルダ内に格納します。

電子納品チェックシステム

電子成果品も作成が出来れば、電子納品まであと少しです。
最後は必ず電子媒体(CD等)に格納する前に、「電子納品に関する要領・基準(案)」に沿って作成されていることを、最新の「電子納品チェックシステム」(国土交通省Webサイト)を利用して確認します。
チェックシステムで確認をしたら、電子媒体に格納し、電子納品です。

電子納品対応の写真管理アプリ5選

とっても便利な図面管理アプリですが、どのアプリを使えば良いか分からない…といった方も多いはず。そんな皆さんのために、おすすめの工事写真アプリを5つ紹介します。

1.蔵衛門pad

5万件を超える現場に導入されてきた、導入実績1位の「蔵衛門」。どのような環境でも安心して使うことができるよう、防塵・防水ボディに耐衝撃ケースを装備した専用タブレットを使用します。

参照:PR Times:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000001288.html

▶HP https://www.kuraemon.com/

▶レビュー ★★★★★ 4.7(2,444件の評価)http://u0u1.net/YVZb

▶主な機能 ・電子小黒板作成
・電子小黒板の豆図描画
・電子黒板付き工事写真撮影
・工事写真の自動整理
・工事台帳の自動作成
・台帳のExcel、PDF納品版作成
・クラウド上での閲覧、編集
・写真の電子納品出力
・JACICの改竄チェック機能
・国土交通省認可

▶料金 ・30日間無料体験
・有料版 ¥79,800/1台~

2.Photoruction

「Photoruction」の魅力は工事写真だけでなく、図面や書類なども一元管理できる機能の多さ。また、機密情報の暗号化ISO27001、二段階認証などセキュリティ面も徹底されています。

▶HP https://www.photoruction.com/

▶レビュー ★★★★☆ 4.2(37件の評価)http://u0u1.net/LVie

▶主な機能 ・電子小黒板作成
・電子小黒板の豆図描画
・写真の自動整理
・電子黒板付き工事写真撮影
・工事写真の自動整理
・工事台帳の自動作成
・TODOリスト作成
・台帳のExcel、PDF納品版作成
・クラウド上での閲覧、編集
・写真の電子納品出力
・JACICの改竄チェック機能
・国土交通省認可
・オフライン対応

▶料金 ・30日間無料体験
・有料版 ¥3,980/月/人 + ¥980/月/プロジェクト ~

3.電子小黒板PhotoManager

▶HP https://www.wise.co.jp/quickproject/pmm/

▶レビュー ★★★☆☆ 3.0(73件の評価)http://u0u1.net/0J43

▶主な機能 ・電子小黒板作成
・電子小黒板の豆図描画
・電子黒板付き工事写真撮影
・工事写真の自動整理
・クラウド上での写真閲覧
・工事台帳の自動作成
・台帳のExcel、PDF納品版作成
・写真の電子納品出力
・JACICの改竄チェック機能
・国土交通省認可

▶料金 ・無料体験1年間
・有料版 ¥9800

4.現場DEカメラ

「現場DEカメラ」の最大の魅力は電子小黒板の種類が豊富なこと。9種類の黒板から用途に合った黒板を選択できます。

▶HP http://www.genba21.com/genbadecamera/

▶レビュー ★★★☆☆ 2.6(30件の評価)http://u0u1.net/iEBv

▶主な機能 ・電子小黒板作成
・電子小黒板カスタマイズ
・黒板への図面貼り付け機能
・電子小黒板の豆図描画
・工事写真の自動整理
・工事写真の位置情報添付
・工事台帳の自動作成
・写真の電子納品出力(PRO版のみ)
・台帳のExcel納品版作成

▶料金 ・基本機能は無料
・有料版、現場DEカメラPRO(¥3,000)

5.SpiderPlus

■SpiderPlus(スパイダープラス)とは?
建設・建築業・ビルメンテナンス業・駅付帯設備管理業向け、図面管理/現場管理の情報共有アプリ「SpiderPlus(スパイダープラス)」。
大量の図面や写真をタブレット端末上に保存でき、打合せや各種検査、現場調査等で活躍。
今までの長時間労働につながっていた、現場写真の整理や帳票作成の作業から開放され、大幅な作業効率アップ、働き方の改革につながります。

▶HP https://spider-plus.com/

▶レビュー ★★★☆☆ 2.9(9件の評価)

▶主な機能 ・写真帳票レイアウト機能
・スマートフォン版 電子黒板機能
・スタンプ機能
・図面管理機能
・工事写真機能
・帳票出力・報告書作成
・図面のデータ化
・複数現場の管理
・複数図面の統合
・工事写真の閲覧

▶料金 ・1 ID ※iPad1台に付き、1IDの発行となります 月額3,000円
・サーバー費用 容量により異なりますのでご相談ください
・お得なオプションパック
・その他課金制
例)写真のバックアップサーバーへの保存:¥250~/1GB/30日間

電子納品対応のまとめ

建設現場で施工管理に携わる皆さん、本当に電子納品というのはたくさんの「要領・基準」があり、「ガイドライン」があったりと、とても分かりづらく理解するには大変なものです。しかし、ITが発達した今では多くの電子納品に対応したアプリが存在しています。この機に電子納品対応アプリの導入を行い、管理者の皆様の業務を少しでも軽減していきませんか?
ITの力を最大限に活かし、よりスマートな施工管理を目指していきましょう。

※より高い生産性向上を目指したい方は、写真管理からBIMまで使える、建設DXを実現するための施工管理アプリ「Photoruction」の資料もご一読ください。下記バナーより無料で資料請求いただけます。